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死後の世界は乙女ゲームって聞いたのに・・・  作者: 花水仙
1章 乙女ゲームはどこに?
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作戦実行日。


結局あの後出した結論は強硬手段だった。

王子が王に相談した結果、驚く解答が来た。

実は隣国との境が魔獣が襲う時期でもないのに出現が増加しており、聖騎士は警戒態勢にはいっており、下手に動かせない状態。


訓練生とはいえこのままの事態が続けはまずい事になるのは火を見るより明らかだ。

相手の言葉を信じるならば指輪を壊せば3人は戻るが、ジアーナがどうなるかわからない。

ジアーナの両親に話をし、今回の件の了承を得たと王子は何とも言えない顔をしながら言っていた。


今回の作戦はヤナとカリナの協力も得て至ってシンプル。

ジアーナから指輪を奪って破壊、その瞬間に私が浄化の魔法を使う。

それと同時にレナートとフロルはマイヤ先輩が地の結界で抑える。


浄化の魔法効果がある属性は光と水。

火の属性にも浄化魔法はあるがこれは本人にしか効果がない魔法だ。

本来ならばヤナとカリナに任せた方が確実なのだが、3人同時にするにはヤナとカリナでは役不足になってしまう。

だけど私ならばティムの協力で水の魔法と光の魔法を使ってより強力な併せ魔法の浄化が使える。


この世界の魔法の基本は全て同じ呪文スペルで発動する。

それ以上の魔法は自分の契約精霊の力を借りてイメージした魔法を作り出す。

呪文スペルは人によって異なるのがいわゆる上位魔法と言われるものだ。

そして契約精霊と違う属性の魔法を併せることで複合魔法もできるが、これは同じ威力を出さないといけないので誰もができる魔法ではない。

私がやろうとしている魔法も光属性の浄化と水属性の浄化でより強度な浄化魔法を広範囲にかける魔法。

私1人なら難しいがティムとスノウがいるからこそ可能な魔法。

力の調整は精霊達がしてくれるとはいえ油断は禁物。


そしてこの浄化が終わった後からが本番だ。

例の2人組はあれからも街での目撃情報が入っている。

あんな目立つ格好でうろうろしてれば当然ともいえるが。

ヴァジム達が魅力から解き放たれてすぐ戦闘とはまず無理だろう。

この件に関しては教官にも協力をお願いしてある。

というより教官任せだとしか言いようがない。

それに懸念すべきことは黒幕だ。

未だに何もつかめていない。

隣国のガヴリイル王子についてはこれといって新たな情報はなかった。

とういうより魔獣騒ぎで隣国との連絡が最近途絶え気味で情報入手も困難な状況になっている。


ガブリイルが黒幕だった場合、この魔獣騒ぎも彼の仕業なのだろうか。

でも魔獣を狙った場所に出現させるのは不可能なはずだ。

でも、私の予測通りなのだとしたらそれも可能なのかもしれない。

だとすれば彼は何を狙ってこんなことをしているのか。

全く見当もつかない。


レナート達を元に戻しても黒幕を捕まえないとどうしようもない。

でも今は先の心配より目先の心配が優先だ。


まもなく作戦開始の合図がくる。

私は静かに魔法発動の準備に入った。


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