09
王子からの指示で街で最近変わったことがないかとアクセサリーの出所の聞き込みをしている。
聞き込みをしながら王子は何かを知っているのではないかと考える。
ゲームの事は気にしてなかったのですっかり忘れていた私も私だが、王子の契約精霊はゲームとは違う。
風と闇なのは同じだけどゲームでは両方とも超綺麗なお姉様系の精霊で、特に闇の精霊は子供が読む御伽話に出てくるお姫様にそっくりという事でクラウディアと名付け、その件で王子は意外とメルヘン趣味だなって思うイベントがあったと記憶している。
だけど今の王子の精霊は風精霊は天河と言う名の男の精霊で闇精霊は女性だが和風美人なのである。。
私もゲームとは違う精霊を呼び出しているからもしかして王子も記憶持ちなのかと疑ってしまう。
そんなことを考えながら歩いていると姿を消しながらも私の側にいたスノウが威嚇をしながら現れた。
スノウがこんなに威嚇しているのは珍しいと辺りの気配を気にすればいつの間にか人の気配を感じることが出来なかった。
周りの景色は路地裏なのに人の気配がないと言うのはおかしい。
そして何よりティムを呼ぶことが出来ない。
「地の結界?」
呟く私の声に鈴の音のような笑い声が聞こえてくる。
「あの方が随分と気になさっているから見に来ましたのに。
こんな簡単な結界にひっかかるなんて興醒めですわ」
コツコツと足音をさせながら近づいてくる影に私はいつでも戦闘が出来るようにさり気無く態勢を整える。
「そう構えなくてもここで戦闘なんてしませんよ。
今日は挨拶と宣戦布告に参りましたの」
少女の姿に私は驚きを隠せなかった。
少女はこの世界では存在しない筈のメイド服を着ていた。
でも何より驚いたのは少女の後ろにいる精霊だ。
今私達を囲んでいる結界はどう見ても地属性だ。
ティムを呼べないのも属性相性の悪い地の結界だからだと思ったのだが、少女の後ろにいる精霊は地ではなかった。
「どうして?何故アクアが・・・」
そう少女の後ろにいるのはレナートの契約精霊のアクアなのだ。
「あの男は今は私の操り人形ですもの。
その契約精霊を私が使えるのも当たり前でしょう?」
何て厄介な事態に・・・。
少女の契約精霊にアクア、それにレナートの光の精霊も相手となるとスノウだけの私は不利すぎる。
戦闘する気はないと言っても油断は禁物。
「本当に何故あのお方は貴女なんかを気にするのでしょう。
今直ぐにでも貴女の首を持ち帰ってやりたいところですが、
今日は宣戦布告だけと釘を刺されてしまいましたの。
レナートと言う名の男は私の手中。
戻したければこのペンダントを壊しなさい。
魅了は聖女の持っている紫水晶の指輪よ。
それを壊せば3人の男の魅了は消えるわよ?
早く戻さないと男たちの心は潰れてしまうかもね。
でもね、その反動は全てかけた本人に返る。
さて、どうします?」
少女はそう告げると姿を消した。
同時に周りに人の気配も戻り、ティムが慌てて私の側に来た。
でも私は今の言葉を考えるだけで精一杯だった。
何故あの少女は戻すことを教えに来たのだろうか。




