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僕たちのレトロゲームが世界を救うこともある  作者: 葉月 優奈
十話:僕たちのレトロゲームは知識の塔に満ちている
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(MARINA‘S VIEW)


あたしは迷っていた、なんであんなことを言ったのだろうか。

あたしには帰る場所が無かった。

飛び出したのはいいが、自分の家に帰ることはできなかった。

そんなあたしは、夜中町で迷った挙句にある狭い部屋に来ていた。

あたしを保護してくれた男の人が、あたしを迎え入れてくれた。


「なんであたしなんですか?」

中央の床にあたしは体育座り。この部屋にはレトロゲームが大量に置かれていた。

懐かしさも少し感じるこの部屋に、あたしはどこか顔色が暗い。


「広哉のコントローラーなんだってな」

「……うん」

あたしの隣では、背の大きな部屋の主。

そう、そこにいたのが加布羅さんだ。広哉の従弟でゲームの師匠。

香春さんも言っていた、相棒の人だ。


「あたしを保護してどうするんですか?」

「そうだね、広哉は頑固だから」

「……広哉は頑固です」

「でも、その広哉が最近変わったのは君のおかげだ。礼を言うよ」

加布羅さんは笑っていた、穏やかに。

あたしは少しだけ顔を上げた。


「あたしはどうしたらいいんですか?」

「広哉と喧嘩したんだね」

「うん。ゲームに勝てたのは、自分のプレイスキルだけだって」

「そうだろうね」

「加布羅さんもやっぱりそう思うんですか?」

「まあ、スキルは大事かな。レトロゲームは昔のゲームだから、かなり難しいしね。

ゲームの敷居は高いよ、だけどそれをクリアするのはスキルだけだ」

「やっぱり」

「君はどう思うのか?」

「あたしは絆。絶対に必要だよ、このゲームは二人でするものだから」

あたしは訴えかける様に、加布羅さんに言いかけた。

それをみて、加布羅さんはなぜかあたしの頭を撫でてくれた。


「それも大事だね、このゲームにはマイクがあるから」

「うん」

「プレイヤーとコントローラー、二人が協力して前に進む。

ソノサンのガキはそう言うゲームだ。まあ俺の言葉じゃないけどね」

加布羅さんははにかんでいた。結構優しい大人の人だね。


「香春さん……」

「ああ、全くあいつもろくでもない人間だ」

「そんなことないです、香春さんはとても優しいですよ。

ちょっと……エッチなところがあるけど」

「まあ、それでもこのゲームには相棒がいる。その気持ちも分かる」

「だったらあたしが……」

「君は広哉の気持ちを考えているのか?」

「えっ?」あたしは加布羅さんの言葉に、驚いた顔へと変わっていた。



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