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(MARINA‘S VIEW)
あたしは魔法少女。大きな帽子と黄色いビスチェを身にまとい、かわいらしい魔法使いの少女。
子供のころから、魔法少女に憧れていてなりたいと思っていた。
だから今の姿を、あたしにとって気に入っていた。
(なんといってもガーターベルトがいい)
魔法少女に似つかわしいガーターベルト、それから大きなステッキ。
そんなあたしの目の前には、巨大な石の壁が見えた。
上の方では白い顔のような蛇が火を吐いてきた。
(でも大丈夫、あたしは魔法少女だから)
足場の石を作り、足場の石を作ったら、壁の石を作って前の石を消していく。
広哉の操作の指示が、あたしにしっかり届いてくる。
だから、あたしは複雑な動きにも魔法にも対応できた。
(この石を消して、先に進む。あれ?これは?)
そんなあたしの目の前には赤い宝石が見えた。
あたしに与えられた操作は、宝石をくるくる回す。そうすると壺や巻物に変わっていく。
(壺ゲット!)
壺を手に入れると、あたしはなんだか強くなった気がした。
おおっ、壺が赤く光っている。かなりびっくり。
そのまま石を消しながらあたしは進んでいく。
今度出てくるのは青い顔だけの敵。
(変わった動きをしてくるな、生首)
あたしは生首の動きを見ながら、制御がすぐ来た。
青い生首はどんどん下の方に顔をぐるぐる回しながら、落ちていきやがて下の方に行ったら消えた。
(今ねっ!)
青い生首が切れた一瞬のすきをついて、石で急いで足場を作って上を目指す。
そのまま上の方に置かれた鍵を手にした。
(鍵ゲット!)
するとすぐさま上の方にある扉が開く。うーん自動ドアか、とても便利。
それとも魔法の力かな。
あたしは、敵をやり過ごしながら扉を目指していった。
(やった、三つ目もクリア……結構このステージも短かったな)
などと思っていると、すでに次のステージが動いて見えた。
(そういえばメールにもあった通り、このゲームはエンドレスなのね)
あたしは目の前に見えた、次の石の部屋をじっと見ていた。
だけど全部、あたしは見える物じゃない。
(そういえば、あそこに置いてある鐘や窓はなんだろう?)
置かれたものに気にはするが、それを狙うことはない。
広哉が送った信号を元に、あたしはそれに動かないといけない。
きっと、それがコントローラーとして正しいのだから。
そして、あたしは再び迷宮に向かっていた。
あたしは広哉と一緒に迷宮を進んでいた。
一時間の間、進めるだけ進むんだ。
あたしには広哉という援軍がそこにいるのだ。
だけどそんなあたしは急に頭を抑えた。
(あれ、おかしいよ、あたしの頭)
激しい頭痛に襲われたあたしは、呼吸が乱れていた。
急に怖くなって体が震えていた。
(変だな、変だな)
あたしの目の前にはステージが見えていた。
体が広哉の指示で動いていく、だけどあたしの意識が徐々に薄れていく。
(なんで?)
あたしはそのまま立ったまま意識を失っていた。




