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僕たちのレトロゲームが世界を救うこともある  作者: 葉月 優奈
九話:僕たちのレトロゲームに得意なゲームならば勝つ意志がある
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ドリコム本社ビルの地下、僕には嫌な思い出しかない。

だけど僕には明らかに疑問があった。

僕の名刺は、スマホのような形をしていた。

だけどどこか古ぼけていた。


「謎なのだ」

「何が謎だ?」

「このバーコード」

夢姫が指さしたのは名刺の中にあるバーコード。


「QRコードでもなさそうだな、なんだこれは?」

「よくわからぬが興味がある、どうやってこれを読ませるのかを。

出力装置としての機能やデータ内臓量が気になるな」

「だけど、なんで僕の名刺がここにある?」

「それがコードの中身を暗示しているのだろう」

「いつの間に運転手が」

僕の隣にはバスの運転手がいた、よく見るとどこかで見たことのある叔父さんだ。


「あなたは?」

「自己紹介がまだだね、私は駕与丁 夢明(むあ)

夢姫の父親になるのだ」

「そうか、夢姫の父親ってことはファ○コンハイム」

「おおっ、知っているのか。君は常連さんか?」

「ええ、博多店には何度か……夢利無さんといいすごい世間は狭いですね」

「ああ、全くだ」

だけどここで過去に浸る余裕はない、僕は夢姫を追いかけていた。

先頭を歩いて、さらに奥の部屋に通す。


「ここは?」

「ここが、社員管理センターだ。幸神 広哉よ、ここに来るがいい」

夢姫が僕を手招いていた。

手招かれた僕は、ゆっくりと夢姫に近づいていく。


「このパソコンに座ってくれるか」

「ああ、分かった」

僕は夢姫に言われるがままパソコンの前に座った。


「さて、早速だが、適当にパソコンを操作してくれ」

「とはいってもインターネットを見るぐらいしか……」

「エロ動画とか」

「ちがいます」

僕はマウスを手にパソコンを操作していた。

ごく普通のパソコンで、何の変哲もない。

そうだな、僕はファ○コンの事でも調べようか。学校でたまに使うぐらいだから。

あまり意識をしないでパソコンを使っていた。


検索をかけ、『ソノサンのガキ』を調べてみる。

なるほど、ソノサンのガキも辞典ページがあるのか。

僕はそのページを見ながら、首を傾げていた。


「幸神はネットゲームはやらないのか?」

「一応やるけど、あんまり。お金もかかるし」

「それをドリコム社長の私の前で言うのは、なかなか勇気がいるな」

「僕は断じてドリコム社員ではない」

適当に聞き流して、自分はネットを見ていた。

五分ほど調べて、夢姫が僕の手を掴んでいた。


「大体いいだろう」

「どういう意味だ?僕がネットを調べたことに?」

「それは関係ない、そばにあるマウスやキーボードの叩き方で私の社員かどうかを判別できる」

「そんな馬鹿な」

そう言いながらも、夢姫が別のページに来ていた。

そのまま夢姫が適当に捜査していると、パソコンが検索を始めた。


「そんなシステムがあるのか」

「これでも一流IT企業だからな。結果が出た……なるほど」

夢姫が何かを納得したようだ、画面そばにいる僕はあまり理解できない。

隣にいる父の運転手も理解していないようだ。


「どういうことだ」

「結果は……やはりこんな社員はいない」

「だろう、当り前だ。なんでそこまで信用しない」

「念のためだ」

「全く……これが三種の神器か?」

「そうだな、これが必要だろう」

「まあ……何に使うかわからないからな」

僕はそう言いながら古ぼけた名刺を手に入れた。



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