表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕たちのレトロゲームが世界を救うこともある  作者: 葉月 優奈
八話:僕たちのレトロゲームは懐かしいことを思い出すこともある
80/129

080

自室でゲームをするのは、いつものことだ。

魔田村もまた、僕は持っているゲームだ。

オープニング画面を見るなり、おおっと声を上げながらゲームをスタートさせた。


早朝の僕は、ゲームをしていた。

朝の方がゲームははかどることを、最近感じていた。

見えるホラー画面は、怖さよりも懐かしさがある。

そんな僕の隣には、毬菜が作ったサンドイッチを持って座っていた。

やや形の悪いハムサンドを僕に渡してきた。


「広哉は、ゲーム上手くなったね」

「ゲームは最初からうまい」

「そうだね~」

毬菜は相変わらず僕を見ていた。僕は毬菜の作ったサンドイッチを食べながらゲームをしていた。

魔田村のステージは最初の墓場ステージ。


「ここって最初のステージ?」

「うん、墓場ステージ。そういえば、次のステージはどこになっている?」

「えっと……魔田村ステージ3です」

「ステージ3か、ステージ通りだと洞窟だな」

僕は何となく考えていた。


「魔田村はステージいくつまであるんですか?」

「6とラスボスの7ステージ……じゃない。二周目があるから14ステージか」

「二周目があるんだ」

「それだけじゃない、ラスボスまでにとらないといけない条件もあったな」

「条件?」

「十字架を取らないと入れない」

「へえ、そうなんだ」

「悪魔の王が最後のボスだから、十字架は有効だろ。まあ、毬菜は短剣を使わせるけど」

「短剣は嫌です、槍がいいです」

毬菜が真顔で僕に訴えてきた。

ゲームは墓場を抜けて、赤い悪魔のエリアに来ていた。


「なぜ?」

「槍はとっても真っ直ぐなんですよ、なんかエロい武器だし」

「香春に言われたな」

「うん、槍が大好き」

毬菜の言葉に、僕は半ばあきれていた。


「あのなあ、槍は二連射までだぞ。それに、ドラゴンには槍が効かない。

でも短剣は三連射できるうえに、ラスボスにさえ効く」

「えっ、ラスボスにも効くの?」

「あっ、ラスボスに短剣をどうやって持っていくんだっけ?」

僕はそう言いながらさっき探した黒本をペラペラとめくっていく。


「そうか……これは」

僕は本の内容を見るたびに、いきなりリセットボタンに手が伸びた。


「えっ、広哉?」

「もしかして、このゲームもできるかもしれない」

僕は何となくそう思いながら、黒本のあるコマンドを入れていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ