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僕たちのレトロゲームが世界を救うこともある  作者: 葉月 優奈
四話:僕たちのレトロゲームは誰かを傷つけることだってある
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一時間後、僕は博多駅前のバス停に来ていた。

九時近くになって、人通りも少なくなった博多駅。

僕がやっていた博多駅の周辺に集まったマスコミや見物客は、いつの間にかいなくなった。

今回も、僕は周囲に気づかれることなくゲームを終えた。

騒ぎは回を重ねることに激しくなるが、何とかばれなかった。


そして博多駅から離れた僕は、バスターミナルの中にいた。隣には教楽来の姿。

僕も教楽来も、疲れた顔でバス停そばのベンチに腰かけていた。


「終わったな」

「一つのステージは疲れるわね。これが後7ステージもあると、心が疲れてしまうわ」

「全くだ」

僕は上を見上げながら、教楽来はスマホを見ながら互いにベンチに座っていた。

僕達の前を、バスが一台流れていく。


「なんでオシリスは誰かが犠牲になるゲームを作ったのかしら?」

「知らん、頭がおかしいのだろ」

「そうやって思考を止めるのはよくない癖よ」

「けど……教楽来」

「何?」

聞き返すが、スマホをずっといじっていた。

教楽来と僕の間には、教楽来のカバンともう一つカバンが置いてあった。


「学校を真面目に行ったのか、今日も?」

「そうよ、勉学は怠るわけにはいかないわ」

「相変わらず真面目なことで」

「私はいつも真面目で一生懸命、世界は刺激であふれていて……」

「それで?」

「私はあなたに勝つことが夢」

「広哉っ、お姉ちゃんお待たせ~」

そう言いながら、奥から一人走ってきたのが毬菜だった。



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