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~~オシリスゲーム1-3~~
(MARINA‘S VIEW)
あたしは、ステージ1のオシリスゲームが気に入っていた。
空を飛ぶ感覚、重力が無くなり浮いている感覚。
普段の生活では味わうことのできない感覚を、ゲームの中では感じられた。
それもこの世界に連れてきている広哉に、感謝していた。
(広哉、ありがとう)
それでもあたしの足元にはブラックホールのような足場があった。
(あの穴に落ちたら、どうなるのだろう?)
だけどその瞬間、その穴が火の海に飲みこまれた。
どうやらオシリスゲームだと、前のステージに戻ることはなさそうだ。
最初に、あたしは唯一の足場に落ちた。
すぐに上の方から敵が出てくる、ドクロだ。
(この敵、あたしを追ってくるんだよね)
もちろん当たれば、あたしは一発で死んでしまう。
前にあたしのお腹に亀の甲羅が当たった、赤いスーツのお腹のあたりを見ていた。
(ダメだ、そんなんじゃ。広哉がやる気になったんだから)
あたしはマスク越しに笑顔になった。
高くジャンプをして、火の海を飛びこえていく。
(それにしてもこの宝箱はどうやって浮いているんだろう)
宝箱の上に立ったあたしは、足元の火の海を見ていた。
マグマが見えて、熱そうだ。昨日の広哉のお風呂よりも温度熱いのかな。
そういうとジャンプをして宝箱を開けた。
(お金、毎度あり~)
ドル袋を手に入れると、足場が無くなる。
無くなった足場から、ゆっくりと空中浮遊で水平移動。
あたしは、次の足場に水平移動で乗った。斜め上にはさらに敵が迫ってくる。
(大丈夫、大丈夫)
あたしは結局、広哉を信じるしかない。
上にジャンプをして、敵を避けていく。広哉の動きが今日はとてもいい。
(やっぱり広哉は上手いんだ)
あたしは広哉の指示一つ一つを体で、足で、手ではっきり感じていた。
前回、前々回と全く違う、広哉は生まれ変わった。
(ここも、上手いっ)
火の海エリアで唯一の難所も、難なくかわしていく。
ダイナマイトはない分、ここは速度を上げていく必要があった。
このステージは三つのエリアがあって、時間制限がある。
それだけに、早く行くことはアドバンテージだ。
(広哉っ、あたしは飛んでいるよ)
敵を足元に空中浮遊をして、とれる宝箱は全部取った。
さらに、あたしの体に変化があった。
(緑毬菜、登場っ!)
緑毬菜で、増えた敵をコインに変えていく。
敵がやはり激しい、だからパワーアップのタイミングが重要だ。
あたしは敵コインを一個とって、そのままゴールゲートに飛びこんでいく
(次は……火の玉エリアだね。大丈夫)
あたしは見ていたんだ。
広哉が昨日の夜、ずっとゲームをしていた。
ゲームを徹夜で、ずっとこのエリアをしていた。
部屋にこもって、広哉がやっていたのを。
(あたしはそんな広哉を信じるしかできない)
自分の体を見ながら、ゲートをくぐっていく。
そう、あたしの真下にはすでに火の玉が燃え上がっていた。




