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僕たちのレトロゲームが世界を救うこともある  作者: 葉月 優奈
四話:僕たちのレトロゲームは誰かを傷つけることだってある
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~~オシリスゲーム1-3~~


(MARINA‘S VIEW)


あたしは、ステージ1のオシリスゲームが気に入っていた。

空を飛ぶ感覚、重力が無くなり浮いている感覚。

普段の生活では味わうことのできない感覚を、ゲームの中では感じられた。

それもこの世界に連れてきている広哉に、感謝していた。


(広哉、ありがとう)

それでもあたしの足元にはブラックホールのような足場があった。


(あの穴に落ちたら、どうなるのだろう?)

だけどその瞬間、その穴が火の海に飲みこまれた。

どうやらオシリスゲームだと、前のステージに戻ることはなさそうだ。

最初に、あたしは唯一の足場に落ちた。

すぐに上の方から敵が出てくる、ドクロだ。


(この敵、あたしを追ってくるんだよね)

もちろん当たれば、あたしは一発で死んでしまう。

前にあたしのお腹に亀の甲羅が当たった、赤いスーツのお腹のあたりを見ていた。


(ダメだ、そんなんじゃ。広哉がやる気になったんだから)

あたしはマスク越しに笑顔になった。

高くジャンプをして、火の海を飛びこえていく。


(それにしてもこの宝箱はどうやって浮いているんだろう)

宝箱の上に立ったあたしは、足元の火の海を見ていた。

マグマが見えて、熱そうだ。昨日の広哉のお風呂よりも温度熱いのかな。

そういうとジャンプをして宝箱を開けた。


(お金、毎度あり~)

ドル袋を手に入れると、足場が無くなる。

無くなった足場から、ゆっくりと空中浮遊で水平移動。

あたしは、次の足場に水平移動で乗った。斜め上にはさらに敵が迫ってくる。


(大丈夫、大丈夫)

あたしは結局、広哉を信じるしかない。

上にジャンプをして、敵を避けていく。広哉の動きが今日はとてもいい。


(やっぱり広哉は上手いんだ)

あたしは広哉の指示一つ一つを体で、足で、手ではっきり感じていた。

前回、前々回と全く違う、広哉は生まれ変わった。


(ここも、上手いっ)

火の海エリアで唯一の難所も、難なくかわしていく。

ダイナマイトはない分、ここは速度を上げていく必要があった。

このステージは三つのエリアがあって、時間制限がある。

それだけに、早く行くことはアドバンテージだ。


(広哉っ、あたしは飛んでいるよ)

敵を足元に空中浮遊をして、とれる宝箱は全部取った。

さらに、あたしの体に変化があった。


(緑毬菜、登場っ!)

緑毬菜で、増えた敵をコインに変えていく。

敵がやはり激しい、だからパワーアップのタイミングが重要だ。

あたしは敵コインを一個とって、そのままゴールゲートに飛びこんでいく


(次は……火の玉エリアだね。大丈夫)

あたしは見ていたんだ。

広哉が昨日の夜、ずっとゲームをしていた。

ゲームを徹夜で、ずっとこのエリアをしていた。

部屋にこもって、広哉がやっていたのを。


(あたしはそんな広哉を信じるしかできない)

自分の体を見ながら、ゲートをくぐっていく。

そう、あたしの真下にはすでに火の玉が燃え上がっていた。



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