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僕たちのレトロゲームが世界を救うこともある  作者: 葉月 優奈
三話:僕たちのレトロゲームはお金で成り立っていることもある
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025

~~オシリスゲーム1-2 拷問部屋~~


(MARINA‘S VIEW)


あたしのいる部屋は石の壁に覆われていた。

赤いいつもの姿に戻ったあたしは、緑色の手から解放されて呆然と立ち尽くした。

背景も何も変わらない、だけど先に進むはずの扉は閉じていた。


(なんだろう、閉じ込められた?)

あたしは閉じ込められるのが苦手だ。

何より狭いところが嫌いだ、マスク越しだけど恐怖で震えていた。


「広哉……怖い」

あたしはただ広哉に助けを求めるしかなかった。

あたしを制御するのは広哉、体を浮かせるのも走るのも広哉の制御あってこそ。

それはコントローラーとしてのさだめ、分かっているけど怖いものは怖い。


「出られるのかな」

足を動かそうとしても、足が鉛の様にとてつもなく重い。

手は動くけど、逃げようとしても逃げることができない。


「助けて……助けてっ!」

叫んで取り乱しているあたしの頭の上に、急に数字が見えた。

その数字は50と書かれていた。


「なに、この数字?」

すると、あたしの体が浮き上がった。広哉がジャンプをさせてきた。

小さなジャンプをすると、数字が一個減っていく。


「これは……」

あたしの恐怖と別のところでその場をジャンプすると、どんどん数字が減っていく。


「この数字って何か関係あるのかな?」

あたしは自分の上に表示された数字を見ながら考えると、そばにミイラが現れた。

そして、そのミイラはすぐに別の敵へと変化した。

赤いカブトムシが現れて、あたしの方向に向かってきた。


「敵もでる!」

あたしは恐怖を感じながらすぐに敵との間合いを取っていく。

広哉がそう導いてきたが、次に奥のミイラが出てきた。

やっぱりこっちも赤いカブトムシ。


「敵が二体……いや奥にも」

あたしのいた場所からさらに離れたところから、空飛ぶ甲羅の敵が現れた。

もちろんあたしの方に向かってくる。


「来ないでよっ!」

あたしは自分で動かせない体で、敵をジャンプでかわしてくる。

しかし敵の追尾を巻くことはできない。


「やっ、行き止まり」

あたしの前には開かない扉が見えた。

そして、あたしの足元には赤いカブトムシが二体。あたしの方に向かって飛んできていた。


「ここは水平移動するのね」

広哉のコントローラー操作が、あたしの頭に届く。

そのままあたしの体が空と飛ぶように浮かび上がって、マントをなびかせながら逃げる予定だった。

だけど、奥から二匹の空飛ぶ甲羅。

あたしは逃げようと必死に反応したが、間に合わなかった。


「きゃああああっ!」

あたしのわき腹に、空飛ぶ甲羅がぶつかってあたしは腹部に激しい痛みを感じた。

まるで内臓がつぶれたかのような強い衝撃が、あたしの体を襲った。


そのままあたしは、呼吸をすることができなくなった。

間もなくしてあたしは意識を失った。

あたしは死んだのだ。



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