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~~オシリスゲーム1-2 拷問部屋~~
(MARINA‘S VIEW)
あたしのいる部屋は石の壁に覆われていた。
赤いいつもの姿に戻ったあたしは、緑色の手から解放されて呆然と立ち尽くした。
背景も何も変わらない、だけど先に進むはずの扉は閉じていた。
(なんだろう、閉じ込められた?)
あたしは閉じ込められるのが苦手だ。
何より狭いところが嫌いだ、マスク越しだけど恐怖で震えていた。
「広哉……怖い」
あたしはただ広哉に助けを求めるしかなかった。
あたしを制御するのは広哉、体を浮かせるのも走るのも広哉の制御あってこそ。
それはコントローラーとしてのさだめ、分かっているけど怖いものは怖い。
「出られるのかな」
足を動かそうとしても、足が鉛の様にとてつもなく重い。
手は動くけど、逃げようとしても逃げることができない。
「助けて……助けてっ!」
叫んで取り乱しているあたしの頭の上に、急に数字が見えた。
その数字は50と書かれていた。
「なに、この数字?」
すると、あたしの体が浮き上がった。広哉がジャンプをさせてきた。
小さなジャンプをすると、数字が一個減っていく。
「これは……」
あたしの恐怖と別のところでその場をジャンプすると、どんどん数字が減っていく。
「この数字って何か関係あるのかな?」
あたしは自分の上に表示された数字を見ながら考えると、そばにミイラが現れた。
そして、そのミイラはすぐに別の敵へと変化した。
赤いカブトムシが現れて、あたしの方向に向かってきた。
「敵もでる!」
あたしは恐怖を感じながらすぐに敵との間合いを取っていく。
広哉がそう導いてきたが、次に奥のミイラが出てきた。
やっぱりこっちも赤いカブトムシ。
「敵が二体……いや奥にも」
あたしのいた場所からさらに離れたところから、空飛ぶ甲羅の敵が現れた。
もちろんあたしの方に向かってくる。
「来ないでよっ!」
あたしは自分で動かせない体で、敵をジャンプでかわしてくる。
しかし敵の追尾を巻くことはできない。
「やっ、行き止まり」
あたしの前には開かない扉が見えた。
そして、あたしの足元には赤いカブトムシが二体。あたしの方に向かって飛んできていた。
「ここは水平移動するのね」
広哉のコントローラー操作が、あたしの頭に届く。
そのままあたしの体が空と飛ぶように浮かび上がって、マントをなびかせながら逃げる予定だった。
だけど、奥から二匹の空飛ぶ甲羅。
あたしは逃げようと必死に反応したが、間に合わなかった。
「きゃああああっ!」
あたしのわき腹に、空飛ぶ甲羅がぶつかってあたしは腹部に激しい痛みを感じた。
まるで内臓がつぶれたかのような強い衝撃が、あたしの体を襲った。
そのままあたしは、呼吸をすることができなくなった。
間もなくしてあたしは意識を失った。
あたしは死んだのだ。




