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いつの間にか僕は自分の部屋に戻っていた。
そんな僕はテレビゲームを再びつけていた。
オシリスゲームが終わっても、僕はそれを忘れることもなくゲームを続けていた。
そんな僕の部屋に、一人の来客が来ていた。
「今日も来たわ」
やってきたのは教楽来 晶菜だ。かつて毬菜の姉だった人物。
思えは初めて彼女から毬菜を預かったことから、始まったオシリスゲーム。
相変わらずブレザー姿の優等生は、眼鏡姿で落ち着いているように見えた。
「幸神君、きっとあなたはやってくれると思ったわ」
「随分勝手な理屈だよ、お前の言う理不尽な結末だったよ」
「それでも世界が平和になった」
「実感はない」
そんな教楽来は、少しだけ微笑んでいるように見えた。
「あなたはほかにも女の子を呼んだでしょ」
「なんだよ。そんなことはない。それより戻って来たか、求菩提?」
「ええ、彼は相変わらずうっとうしくつきまとっているわ」
「可哀そうだな、求菩提」
僕は求菩提には同情していた。
学校に戻っても、求菩提は口が悪そうだ。
「この世界はやはり綺麗ね、夜の静けさとか、闇とか」
「やっぱり夜が好きなんだ」
「そうね、私は夜型人間だのだから」
「教楽来は知っているのか?」
「ええ、どうやらオシリスはゲームを処分しようとしたときに参加者の記憶まで消せなかったようね。
こういうところが抜けているのね、さすが未来の幸神君。
まあ、それのある方に聞いたのだけど」
「そうか」
そんな教楽来は辛そうな顔で僕を見ていた。
「ある方って、あいつか」
「そうね、ある方よ」
そう言いながら間もなくして一人の女がやってきた。
ゴスロリのドレスを着て、中学生ながらにおしろいを塗って白くなった少女。
それは、僕が知っている女だ。