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『駕与丁 夢姫』、ドリコムの社長。
小学生社長で天才プログラマー。いろんなゲームを開発した天才だ。
まあ、オシリス……未来の僕が勤める会社の社長ってことだよな。
「ああ、出てきたか。クソガキ」
「知りあいなのか?」
「知り合いも何も……」
「レトロゲームはつまらない」
夢姫社長は不機嫌極まりなく加布羅兄さんを見ていた。
「この前、就職説明会でボロクソに言っていたんだ。
全く許せないぜ、チビガキ」
「お前の考えは古臭いだけだ……脳みそをオーバーホールしたほうがいいんじゃないのか?」
夢姫社長は、もっと小さいころゲームショップを家族経営していた。
しかし、経営破たんをしてしまいいつしか嫌うようになった。
「不幸にするゲームはつまらない」
「何を言っている、レトロゲームは素晴らしい」
「どこがだ?頭がおかしいのじゃないのか?」
「違う……おまえはこのノスタルジーが分からない」
「理解したくはない……だがよかったな、少年」
そう言いながら夢姫は、僕をねぎらってくれた。
夢姫は一足先にわかっていた、オシリスの正体を。
「ああ、僕は楽しいことを思い出した。
それは、自分が世界は退屈だったことを少し改めさせるきっかけになった」
「やはり、少年とは考えが近いようだ」
「そうかもしれないね」
僕は夢姫の言葉に同意ができた。
ようやく僕は前を向いた。
「じゃあ、ここにいる場合ではないな。そろそろ」
「うん、もう行くよ」
僕はそう言いながら、去っていった。