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イーエルファンクーのゲーム画面に戻る。
ジャンプしても、僕は向かっていく。
そのまま毬菜がオシリスに殴るが、出てくるのは手裏剣。
それを喰らいながら僕はオシリスの間合いを詰める。
ダメージを喰らっても前に進むしかない。
僕はそれが唯一の方法だと思った。
距離を取ろうとするオシリスに、僕はそのまま近づく。
「こっちのキックを」
僕はハイキックをするが、間一髪でかわされた。
「くそっ、あとちょっとか」
ドット数個分の差、きっとその差が埋まらない。
毬菜はそれでもあきらめずにオシリスを追いかける。
「もう一度ジャンプ」
ジャンプをしながら低空でキック。しかしパターン化された、手裏剣で体力が削られる。
「ううっ」
ダメージを喰らって叫ぶ毬菜、僕はそれでも下がるオシリスに近づく。
そのまま射程の短いパンチを繰り出す。
パンチは逃げようとするオシリス当たった。
「よしっ、一発」
九戦目にしてようやくダメージを与えた。
こんなにうれしかったんだ、このゲーム。
それでもオシリスの体力はゲージ七個分残っているが。
「問題はこれからだ」
接近すれば、後は殴り合いだ。
そんなオシリスは三つ目の武器を取り出してきた。
「棒もあるのか」
接近戦になると棒は結構厄介だ。
持ったオシリスは、棒で毬菜を殴ってくる。
「ああっ」
毬菜が叫ぶ、だけど僕は下がるわけにはいかない。
しゃがみながら棒を回避。
棒の弱点は、しゃがめばかなり回避できる。
「ローキック」
ローキックでさらにダメージを与えていく。
下がる時には無防備だ、相手の位置を見極めてダメージを与える。
だけど毬菜の体力がやっぱり足りなかった。
「きゃああっ!」
毬菜はまたしても倒されてしまった。
それを見て、勝ち誇ったオシリスがいた。
「大丈夫、分かったから」
だけど、僕は完全に分かった。オシリスの倒し方を。
昔の僕ならもっと早く見つけられただろう、シンプルな解き方を。