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僕たちのレトロゲームが世界を救うこともある  作者: 葉月 優奈
十二話:僕たちのレトロゲームは世界を救うことだってある
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地震は全く収まらない。

足場の悪い岩山で、僕は悪戦苦闘。

山頂を切り立った場所だからある程度は広い。

だけど、山の上の地震はやばさがあった。


「タイムリミットはそれほどないぞ」

オシリスが再び僕を挑発していた。


「だけど、勝たないといけない」

「そう、全く夢もない話だ。残念ながら広哉にこのままだと勝利はない」

「確かに勝てそうもない」

毬菜の断末魔、これで八機死亡。

残り二機、どうあがいても勝てる見込みはない。

そんな僕は、セレクトボタンを押しながら毬菜に声をかける。

ボタンを押しながらだと、毬菜と僕の会話が聞こえない。


「広哉の気持ち……本当?」

「本当だ、どうしても勝ちたい」

「なら、広哉の強さを示して」

「僕はこのゲームが得意だ、だけど自分が相手だと勝つことができない」

「思い出して。あなたはどうやってこのゲームをやっていたかを」

「そう……僕は」

思い出した、ゲームをやっていた昔は僕が何も考えていなかった。

何も考えずに、ただ前を向いていた。

知らないことで、自然と楽しさがあった。

興味があった、ゲームに挑む好奇心があった。


「これはロジックなんかじゃない。

倒し方はない、だけど倒す方法があるのならば……」

「うん、毬菜」

僕は毬菜に声をかけた。


「僕に力を貸してほしい」

「分かったよ、絆パワーだね」

「ああ、それでいい」

僕の言葉に毬菜がようやく笑顔を見せた。

それは初めて出会った時の、あの何も考えていない無邪気な笑顔。

久しく見せなかった笑顔を毬菜はゲーム越しに見せてくれた。


「じゃあ行こうか」

「うん」

毬菜は僕に同意してくれた。

だからこそ、僕は進むことができた。

地面が揺れる中、僕は九戦目を迎えた。



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