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僕が戦う相手は、仮面が取れた僕。
オシリスの顔が全く僕と同じ顔だった。
いや、少し落ち着いた雰囲気で、顔は老けていた。
「驚いただろう、男子高校生。いや幸神 広哉」
「なんで、僕そっくりに……」
「そっくりじゃない、幸神 広哉そのものだ。そうだろう……幸神 毬菜」
「やめて……パパ」
さらに毬菜が驚いた反応を示した。
「パパ?そうか」
「私の娘だ、そして……未来の君の娘」
「はあ?わけが分からねえけど」
「オシリスゲームは、どこまで進んだゲームかわかるか?」
「レトロゲームをやるゲーム」
「そう、レトロゲームは過去の遺産。
過去の遺産を最新鋭の技術で投影されたゲーム。
この時代にあるプロジェクションマッピングが、進化したが未来の僕が作ったシステム」
「未来?」
「ああ、タイムマシンの様なものさ。
我がドリコム社製が開発した試作機、タイムプロジェクションマッピングシステム」
オシリスが誇らしげに語った。
「ならばあのピラミッドは?」
「それは失敗作だよ」
「失敗作?」
「まず、実験をここで行った。
今の時代の私の部下を、過去の私の部下に会わせた。そしたらね、世界が拒絶反応を示した」
「拒絶……反応?」
部下がいる事には疑問があった。
「そう、名古屋にいた部下は反応を示して、名古屋を中心に巨大なピラミッドが形成された。
世界がおかしくなる、タイムパラドクスという現象だ。
合わないはずの二人が、映像を通して会ってしまう。
それは失敗し、名古屋を中心に巨大なピラミッドが形成されてしまった」
「だから……か」
本州ピラミッドは投影技術の暴走によるものらしい。
SFの話で理解はしにくいが。
「で、今僕とお前があっていることは?」
「そうだね、起きるだろう」
そう言いながら僕の周りで地震が起き始めた。
岩山が揺れては、前の画像が乱れる。
「これって……」
「そう、今未来と現在の君があって起きたタイムパラドクス。
このままいけば近いうちに、この九州もピラミッドに隔離されるだろう。
そうすれば、日の光を二度と浴びることはない」
「それって、めちゃくちゃやばい」
「そう、だから君は勝たないといけない」
オシリスは最後、やっぱり僕を挑発していた。
僕は意を決っして、地面が揺れる中でもゲームを続けていた。