表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕たちのレトロゲームが世界を救うこともある  作者: 葉月 優奈
十一話:僕たちのレトロゲームは全ての記憶を蘇らせることもある
115/129

115

毬菜の記憶が戻る、それは喜ばしいことだ。

彼女はあまりにも知らないことが多すぎた。

だけどゲームを一つ一つクリアすることで知ったことがある。

それが彼女の中で、いろんなことが変わっていった。

だけど、知らないと前に進めないことを僕は知っていた。


「毬菜は何を知ったんだ?」

「あたしはいろいろ知った、まだ不完全じゃないけど」

「教楽来とは話したか?」

「お姉ちゃんにはいろいろ嘘をついていた」

申し訳なさそうな顔で、毬菜がため息をついた。


「それは仕方ない、君がつきたかった嘘ではない」

「だけどあたしにとって、それは辛いこと」

「毬菜は僕とゲームをしていて楽しいか?」

「うん、楽しい。広哉の指づかいを感じるの」

なんでそこは恥らいながら言うんだ。

顔を赤くして言う毬菜は、やっぱりちょっとエロく聞こえるぞ。


「ねえ、またあたしのおっぱい触ってみる?」

「ええっ……それは」

「ちょっと成長したんだよ」

「いいのか?」

「広哉なら……いい」

毬菜は笑顔になった。そのまま僕の右手を掴んでくる。

毬菜はやっぱりかなり積極的なのかも知れない。

それは僕に対してだけなのか、それは分からない。


「分かった」

「じゃあ、優しく……そうそう」

手を伸ばして、毬菜の胸が迫ってきた。

僕はやっぱり緊張するし、顔が赤い。


「優しくしてね」

「……毬菜」

そう言いながら、毬菜の持っているスマホが着信していた。

振るえるスマホを見て、緊張が一瞬途切れた。


「スマホ……」

「うん」

毬菜が僕の手を離して、スマホを見ていた。

それから間もなくして、毬菜が真剣な顔に変わった。


「最後の戦い、場所が決まりました。場所は雲産山キャンプ場」

「……マジ」


僕は一瞬にして驚いてしまった。

それは僕がよく覚えていた場所だった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ