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僕たちのレトロゲームが世界を救うこともある  作者: 葉月 優奈
十一話:僕たちのレトロゲームは全ての記憶を蘇らせることもある
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そこは僕と毬菜が初めてを行った場所。

うっそうとした地下は、さすがに多くの車が止まっていた。

ショッピングセンターUNGAの地下駐車場。

静かで誰もいない、平日の夕方から夜になろうとしていた。


薄暗い駐車場に、結構多くとまっている車。

前に来た時より、車が多く人も歩いていた。

僕が来ていたのは、車の泊まっていない場所。

そして、そこにはセーラー服の毬菜がしゃがんでうずくまっていた。


「毬菜……」

「広哉」

僕を見るなり、元気なさそうに僕を見ていた。

顔を歪めて毬菜は寂しそうな目をしていた。


「あたしは……怖い」

「怖いのか?」

「いろいろ知ることで、いろいろわかることで怖い」

「それは毬菜が望んだことだろう。このゲームを進めることで得た事だろう」

僕の言葉に、視線を逸らしていた。


「幸神 真里菜、オシリスの娘」

「うん……あたしはそうなんだ」

「オシリスから聞いたよ、全部。

君はオシリスの指示を受けて、五年前に通り魔事件を起こした。

そこで七人の人間を光線銃で撃った、間違いないね」

「そう」

「だからすべてを知っていたのか、あのゲームも……」

「私は徐々に記憶を戻ってくる中で、怖かった信じたくなかった」

涙目の毬菜が、僕の目の前で抱きついてきた。

毬菜はとてもよわよわく見えた、やっぱり彼女はどこにでもいる中学生なんだ。


「毬菜……」

「広哉、真実は残酷なんだよ」

「辛かったんだな」

「だって、あたし……オシリスの娘だったんだから。

このゲームを仕組んだ人間だったのだから。

こんなあたしを……広哉は嫌いになったよね」

「何を言っているんだ、お前は?」

「広哉?」

「今の毬菜は、ずっと僕の相棒だろ。ゲームもまだ終わっていないい」

僕の言葉に、毬菜が顔を上げた。

毬菜の目は既に大量の涙を浮かべていた。


「なんで、今でもあたしを信じるんですか?」

「毬菜は告白をした。その言葉に、嘘偽りはないだろう。

だから僕も毬菜のことを信じる」

「広哉は……大人だね」

「ああ……子供じゃないさ」

毬菜と出会い、僕は多くが変わった。

それは、僕が毬菜から教わったことなのだ。毬菜が顔を上げて、僕の顔を見ていた。


「なんでそんなに広哉は優しいの?」

「絆……だよ」

少し照れくさそうに、僕は毬菜の好きな言葉を言っていた。




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