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僕たちのレトロゲームが世界を救うこともある  作者: 葉月 優奈
十一話:僕たちのレトロゲームは全ての記憶を蘇らせることもある
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それは何の前触れもなく現れた。

突然何の変哲もない壁が、変わっていくのが見えた。

今日は曇っていたのもあってか、映像がよく見えた。


どうして今、この映像が出て来るのかわからない。

だけど、何気ない塀が急に変わった。

それは完璧に僕に対する映像だ。


「理不尽よ」

隣にいた教楽来が不満そうにつぶやいた。

「いや、理不尽ではない」

そして出てきたのは、バタフライマスクの男、オシリスだ。

僕は塀に現れたオシリスをじっと見ていた。


「何のつもりだ?」

「私は最後のゲームの案内をしに来たのですよ。

七つのステージをクリアした男子高校生よ」

「相変わらず突飛な登場の仕方をする」

「こうしないと、あなたとは繋がれないから」

やっぱりオシリスは不思議だ。

教楽来もまた、僕の隣でいきなり現れたオシリスを見ていた。


「最後のゲームはイーエルファンクーです」

「イーエルファンクー、あれか」

僕はやっぱりそのゲームも知っていた。知っていたゲームだからオシリスを見ていた。


「やはり、全て僕が知っているゲームだ」

「なぜ七つすべてのゲームが、僕の知っているゲームなんだ?偶然にしてはおかしい」

僕はずっと疑問だった。

全てのゲームを僕は知っているわけではない。

だけど、全てのゲームは僕が知っていた。


「やっと勝ち上がって来たね、『|HIGH SCHOOL・M《男子高校生》』。

これは全て君のためのゲームだからだよ、幸神 広哉」

オシリスの言葉は、完全に僕に向けられていた。



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