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僕たちのレトロゲームが世界を救うこともある  作者: 葉月 優奈
十話:僕たちのレトロゲームは知識の塔に満ちている
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僕が見たそのリュックサックは、初めてではない。

ボロボロになったピンクのリュックサック。

そのリュックサックは、見覚えがあったからだ。


「なんでこれが?」

「ああ、届いたんだ。一週間ほど前かな、三種の神器とか言われて」

「マジかよ」

「やっぱり広哉が知っているモノなのか」

「三種の神器なんかじゃない、こんなものは……」

「じゃあ、なんだ?」

「それは呰見の形見だ」

僕の言葉に、加布羅兄さんがピンクのリュックサックを見ていた。


「呰見って、あの昔の彼女か?」

「うん、でもなんでこれが?送られた箱とかは……」

「そこのダンボールに入っていた。そうそう」

そう言いながら、加布羅兄さんは部屋の押し入れに頭を突っ込んでいた。

間もなくして出てきたのが、手紙だ。


「これは?」

「手紙がここに添えてあった」

その手紙をじっくりと僕は見ていた。

その手紙の内容は、簡単だった。単純にリュックサックのことだ。

これが三種の神器である証明だとわかった。

だけど、それ以上に気になったことがあった。


「広哉、このゲームの正体が分かったか」

「何となくだが、いろいろと謎だったんだ。でも一つだけ分かった」

「そうか……何か協力できるか?」

「いや、その前にちゃんと話さないといけないやつがいるんだ」

そう言いながら、僕はボロボロのピンクのリュックサックを見ていた。

リュックサックを手に、僕は頭を深く下げた。


「僕はこのゲームに必ず勝つから」

「ああ」加布羅兄さんは最後まで笑顔だった。


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