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(MARINA‘S VIEW)
あたしは魔法少女、いつもこのゲームの格好が好きだ。
あたしの体も艶やかになるといいな、魔法がほしい。
そんな自分の残念な体を見ながらあたしはブロックを消していた。
夢姫さんは本当にすごい社長だ。
だからこそ、あたしはかけてくれた彼女の想いに応えないといけない。
「妖精を集めるの?」
「ああ、妖精がキーだ。これをしないといけない」
「分かった、妖精が好きなんだね広哉は」
違うと否定するが、広哉のことを無視してあたしは妖精を集め始めた。
妖精もレオタード姿で結構エロっぽいなぁ。
結局のところ、あたしは広哉の指示で動く。
広哉の制御があたしの動きを決めてくれる。
それでもあたしはいい。あたしを手にした広哉を、信じているから。
(なんで信じられるかわからないけど……雅ちゃんの言うとおりかな)
広哉は優しい、その一つ。
あたしをいじめても、雅ちゃんは広哉が好きだった。
だからこそ、雅ちゃんの代わりにあたしは広哉を導く。
「妖精、全部取ったよ」
「後は時間までベル探ししよう」
「うん」
石の壁をいくつも壊しながら作り出すと、いろんなアイテムが出てきた。
そこにあるベルを、全部回収して妖精を回収していった。
「大丈夫なの?」
「たぶん、これなら上がるだろう。スコアという名の偏差値。G値」
広哉があたしの言ってくれた。
「毬菜はゲームの内容を見たのだろう」
「うん」
「オシリスからメールも受け取ったのだろう」
「そう、あたしと香春さんのメールは違っていた」
「僕は順位を見ていた。最初の順位は、自然じゃなかった。
あれはスコアの順位でもない、僕は攻略を急いだつもりはなかった。
このゲームにはスコア以外にももう一つ、偏差値(G値)というものがある。
マイトナバンジャップの続編という扱いだからな」
広哉がそう言うと、あたしはそれを受け入れられた。
「後、バンジャップは回収するぞ」
「うん」
「このスコアはとてもシビアなんだ、無駄なスコアも行動もいらない。
あくまで完璧に動かないといけない」
「うん」
「だから毬菜の魔法ですくってほしい、僕を」
「分かったよ」
あたしは、そう言いながら自分の杖に自分の額を上げた。
そしてあたしは、広哉の制御通りに進んでいった。
だけどあたしの意識はだんだん遠くなっていきながら。