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僕たちのレトロゲームが世界を救うこともある  作者: 葉月 優奈
十話:僕たちのレトロゲームは知識の塔に満ちている
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~~オシリスゲーム7-3~~


僕はこのゲームが好きだった。

ただ単に探すだけのゲームじゃない。

ゲームとしての知的なパズルが新鮮だった。

昔は落ちモノパズルゲームとか、パズル系RPGゲームなんかなかったからな。


(さて……やるしかないな)

僕は覚悟を決めていた。

そう言いながら、僕は毬菜を動かしてベルを狙いに行く。

このゲームには出ているアイテムは鍵の他にベルがある。

ベルをとると、扉の中から妖精が出てきた。


(この方法しかない……)

僕には加布羅兄に勝てるには、この方法しかないのは分かっていた。

だけどこの方法は、正しいものではない。

何よりゲームの仕組みに全くはまっていない。

妖精が飛んでいる光景は、まさにかわいい。


(この方法は本来、スコアと正反対なわけだ)

とはいえ、僕はオシリスの言葉を完全に信用したわけではない。


(悔しいが、今の僕では勝てない)

そんな時、僕のコントローラーから声が聞こえた。


「あーあー、広哉?」

「その声は……毬菜?」

僕はスマホ越しに声を返した。

よく見ると、コントローラーにマイクがついていた。

そのマイクから聞こえる声は、毬菜。


「どうして声が?」

「ドリコムの方です」

そう言いながら、僕はさっき貰ったイヤホンをつけていた。

ドリコムの夢姫が持ってきた。泣きながら僕たちに懇願してきた。

それは母親を取り返すという事。


僕は夢姫とかわした約束を守るつもりはない。

教楽来が探求してほしいオシリスの謎を解く気もない。

だけど僕はみんなに期待を掛かられていた。

だからこう考えた。僕はもう一人じゃない、みんなの責任を背負わされている。

だけど毬菜の言う言葉も少し理解できた。


「毬菜、怖くないか?」

「大丈夫」

僕は毬菜に言葉をかけた。

毬菜の声が弾んでいて、なんだかその言葉に癒される気がした。


「じゃあ、頼みむぞ。僕は勝ちたいんだ」

「うん」その言葉を交わして、僕はコントローラーを強く握った。



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