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僕たちのレトロゲームが世界を救うこともある  作者: 葉月 優奈
十話:僕たちのレトロゲームは知識の塔に満ちている
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喧嘩した翌日、僕はアパートの前で愕然としていた。

手を震わせて、壁の前でおののいていた。

オシリスゲーム7-2が終わった。

僕たちは加布羅兄さんに負けた。しかも大差をつけられた。


「くそっ、そんな」

悔しむ僕の隣に、毬菜が戻っていた。

さっきまでコントローラーとして制御していた毬菜は、いつも通りのセーラー服を着ていた。


「広哉」

「なんで勝てないんだ」

「……大丈夫」

「何が大丈夫なんだよ」

僕は振り返って吠えた。それでも後ろの毬菜は無邪気に笑っていた。


「大丈夫だよ、広哉」

「ソノサンのガキを得意とする香春と、レトロゲームの腕前が完璧の加布羅兄さん。

こんなのが組んだら叶うわけがない」

「マイク機能」

「そうとも、二人は足りないものを補完しあっていたんだよ」

僕の言葉に、毬菜は考える仕草を見せた。


「補完?」

「香春はソノサンのガキの知識が誰よりもある。

それは僕が知ったことだ、彼女はとても強い」

「香春さんはレトロゲームがやはり好きですからね」

毬菜も香春を知っていた。だからこそ香春に全く勝てなかったことが、悔しかった。

しかもそれは、一番僕が得意にしていたソノサンのガキ


「確かに香春の知識は優れている。

マイク機能があれば、加布羅兄さんのテクニックにかなわない」

「だからです」

そこに出てきたのが毬菜だ。だけど毬菜のいう事は想像できた。


「毬菜、絆とか言うんじゃないんだろうな」

「そうですよ、広哉は何もわかっていない。

これはただのレトロゲームじゃないんです、オシリスゲームですから」

「それはそうだけど……」

「だとしたら、あたしたちのやることは一つでしょ」

「お前はそうやっていつも不確定な力ばかりに頼る」

「不確定じゃない、加布羅さんも香春さんもそうやって戦っている」

毬菜の言葉に僕は戸惑った。

「そうね、ここは毬菜の言うとおりだわ」

そして、なぜかそこにもう一人人物が現れた。

それは僕がよく知っている人物だった。



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