はじまり
悪夢とは、眠る時に見る嫌な夢。もしくは、悪い夢のこと。
それはこの世のものとは思えない程の悲惨な光景のことを指す場合もある。
現実で凄惨な物を見たり、体験したり、それが原因でPTSDなどになると、夢で何度もそれを体験することがあり新たな病気に発展することがある。
夢は、睡眠中あたかも現実の経験であるかのように感じる、一連の観念や心像のこと。すなわち睡眠中にもつ幻覚のことである。
睡眠、眠るということは脳と身体の疲労回復、特に大脳を休ませること。修復するためには、睡眠というメンテナンスが必要不可欠である。
そんな脳と身体の疲労回復中に悪い夢を見てしまったらどうなるのだろう。
夜中に目を覚ましてしまう、怖くて眠れない、悪夢が怖くて不眠症になってしまう。
そのようになってしまう可能性がある。
では悪夢を見ないようにするにはどうすればいいのか?
それは色々あるらしい。ここでは幾つか紹介しておこう。
まず一つ目は、目覚めた後に夢の事を考えないようにする。
目覚めが悪いとその日は何だか嫌な気持ちでスタートしてしまう。だからもう気にせずに忘れたほうが楽なのだ。
次は有酸素運動を行う。
有酸素運動で快楽物質のエンドルフィンを脳内に分泌させ、それがストレス発散になるらしい。
運動したことによって健康的にもなるし、疲労感が残り、熟睡への手助けになるはず。
次はアルコールや薬に頼って睡眠を取らない。
全部がそうだとは断定できないけど、薬には副作用というものがある。それが悪夢を起こす原因となっているようだ。
アルコールは睡眠に誘因する作用があるけれど、睡眠が浅くなるレム睡眠になってしまって夢を見ない状態のノンレム睡眠に落ちる事を妨害してしまう作用があるみたいだ。
どうしても眠れないときは薬やアルコールに頼るのも一つの手だとは思うけど、それは自己責任で。
次はリラックスできる空間で心を落ち着けてから寝る。
心を落ち着かせるとストレスを和らげることができてゆっくり眠ることができる。
暖かな光を浴びたり、綺麗な花ばなを見たり、半身浴で程よく汗を流したり、自分なりの心を落ち着かせることを探してみよう。
これでアナタは悪い夢から開放されるはず。
もう怖がらなくてもいい、薬に頼らなくてもいい、目を閉じて心と身体を休め、朝目が覚めるとスッキリとしているはずだ。
カーテンを開けて眩しい光に朝を感じ取り、窓を開けてひんやりとした空気を吸って朝を感じ取り、今日の始まりを心と体に染み込ませる。
さあ、今日という一日が始まる。
朝はなにかとやる事が多くて忙しい。ぼーっとなんてしてられない。
顔を洗ったり、朝ごはん作ったり、ゴミ出しをしたり、身だしなみを整えたり。
そして出かけるために玄関へと向かう。
忘れ物はないか、今日の予定は覚えているか、頭はスッキリしているか。
そしてドアを開けて、行ってきますと言ってまた今日も頑張る。
貴方の表情はスッキリとしているはずだ。
しっかり眠ったし、疲れはとれたし、良い一日になるはずだ。
貴方はその時足を止めた。
どうした? 忘れ物か、財布や教科書はたまに忘れてしまうこともあるだろう。
さあ早く忘れ物を取りに家に戻ろう。
貴方は頭をおさえている。表情は暗く、その場で座ってしまった。
どうしたというのだ、体調でも悪いのだろうか。
貴方は昨夜、悪夢に悩まされる日々にイライラしてアルコールを呑みに飲んだ。
そうしているうちにリビングで眠った。
貴方はストレスを解消するために色んなことを試した。
アロマを焚いたり、半身浴をしたり、散歩をしたり。
しかしそのどれもが貴方には合わず、結果的にストレスは全く解消されずに溜まっていく一方だったのだ。
貴方を心配するおばあさんが近づいてきて優しく声をかける。
しかし貴方は叫び声を出して、頭をおさえて汗を流している。そしてさっき食べた物を吐いた。
悪い夢がこうさせたのか、悪い夢が原因なのか。
先ほど教えた悪夢を見ないようにする方法はどれも効果がなかったのだろうか。
そうだとしたらもう悪い夢から開放される方法は無いのか?
それは――――