プロローグ 狼煙
何がとは言わないが来年が確定したためストレス解消で始めました、だが後悔はしていない。
ストックが無いので基本週一以上になると思いますがよろしくおねがいします。
武器資料とか書いてますがそれは別作品用なのでこっちでは銃は出てきません。ガンアクション期待してきた人は後四万字書けるまで我慢してくださいごめんなさい、すみません。
点数よりも一言でも感想があるほうがモチベーションになるのでなにか一言書いて貰ってもいいんだよチラッ[壁]‥)ww
人生には転機というものがある。それは職業だったり、生き方だったり色々なものがあると思う。どうしようもない理由だったりあるいはそうでなかったり、やむ得なかったりそうでなかったり。
俺の場合はいったいどうなんだろうか?どこからこんなにふうになってしまったのだろうか?
抵抗するそいつの茶髪の髪を掴んで死なないように気を付けながらコンクリの地面に叩きつける、死なれたら困るのはお互い様だ。重症にはならないがトラウマになるくらいがベストだ。
そんなに波乱万丈な人生は送っていないつもりだったけれどそうでもなかったのだろうか?
趣味で鍛えている以外にそんなに特殊なつもりはないのだけれどやはり明が言うように俺も変人の一種なのだろうか?
俺としてはスポーツやってる連中とそんなに違いは無いと思っていたが最近ではよくわからなくなってきた。
明が言うには俺の考え方は色々おかしいらしい。あいつ自身相当おかしなやつだから今まで流していたけれど実際のところどうなのか。
鼻が折れている、痛くて抵抗も失神も出来ない茶髪を尻目に持ち物をあさる。ついでに他の連中からも財布からすぐに何かできないよう小銭と札を抜いて手近な排水孔に投げ捨てる。
それからIDも抜いて両面を写真におさめる。住所を見比べるにコイツらのホームはこの辺ではないからこれで電車も電話ボックスも使えない。病院が必要な怪我もさせないようにしたから少なくともこれで一日以上合流される恐れはない。
あまり目立ちたいほうでもないし暴れたいとかそういう考えがあったわけでも無いのだけれど最近こういう事に関わることがやけに多い。今月で何度目だろうか?
頭の悪いことにゴテゴテと良くわからないものを付けまくった携帯に一切ロックはかかっていない。
その割には電話帳はグループ分けが良く出来ていて見やすい、チャラい連中の考えている事はよくわからないな。
その中から『ダーリン(ハート)』と登録されている番号を呼び出す、恐らくこれが俺の話したかった相手だ。
たぶん俺にとっての転機というやつなのだろう。ゲームして映画借りて一夜漬けして遊びに行って体鍛えて親に怒られて学校行って、そんなことくらいしかしてこなかった。それが今やこれだ、まさに今までの生活から一変している。
でもまあ、自分でも不思議なんだけれども意外と嫌じゃない。むしろどこかこんな生活を楽しんでいる節がある事を認めざるえない。
絶対に嫌がるだろうと思っていたんだけどな・・・案外自分の事は自分ではわからないということなのかもしれない。
呼び出し音の代わりに雑音のひどい良くわからないポップスが大音量で流れている、かっこいいと思っているのかもしれないがノイズが酷すぎて何一つ聞き取れない。
20コールくらい待っただろうか、どうしたの、もう終わった?、という声と共にやっと相手が通話口に出る。電話越しだから少し違って聞こえるがお目当ての人物で間違いなさそうだ。
「おお、一発であたりだ!やりい!」
「おい、ちょっと静かにしろ!!・・・誰だお前?」
「いや君の彼女がぼころうとした相手に決まってんじゃん・・・ところで少し言いたい事があるんだけど時間いい?」
「おめえ・・・そいつに何かあってみろただじゃ・・・」
こいつは馬鹿じゃないだろうか。人数集めて襲撃、拉致なんてやらかした時点でもうそんなレベルのお話はとっくに終わっているというのに・・・。これだから頭の悪いやつは困る、自分の日常だけいつまでも変わらないと信じ続けているのだから。
ぐだぐだと頭の悪いことを言い続けそうなので要件だけをとっとと伝える事にした。
どう伝えようか迷ったが頭の悪い女のせいで呼び方が「ダーリン(ハート)」である以外に何も分からない。少し迷っているとふとリーアム・ニールソンのセリフが頭に思い浮かんだ。まさにこの状況にぴったりじゃないか!
「おい、聞いてんのか!?」
「・・・お前が誰だか、お前が何をしたいんだかは知らないが。金が欲しいなら言っておくが持ち合わせは無い。だが俺は特定の分野に関する技術なら少しばかり持ち合わせがある。少なくない時間をかけて身に付けたものだ。お前らみたいな人間に、地獄を見させるための技術だ」
「ああ?なにわけわかんねえこと言って・・・」
戸惑っているのがわかる。急に事態が動いたことで動揺している。さぞかし戸惑いと不安が胸の内に渦巻いていることだろう。俺は構わず淡々と言いたいことを告げ続ける。
「お前らが、彼女を今すぐ解放するならこの話は無かった事にしよう」
「・・・・・・」
「だがもし、そうしないならば。お前を探して。お前を必ず見つけ出し。そしてお前を、死んだほうがマシと思えるような目に合わせてやる」
「・・・・・・・・・や、やれるもんならやってみろやさおとこ」
そう言うと相手は電話を切った、分かってはいたが交渉は決裂した。その代わり色々な事がわかった。
相手が複数人いること、襲撃はこの携帯の持ち主が話し相手から人数借りて行なったこと、こもったような金属音からして広さのある室内にいて鉄パイプのようなものを所持していること、この携帯の持ち主が相手にとって意味のある人間であること、そして俺の容姿を知っている事からある程度のリサーチを行なったこと。
リュック・ベンソンとはいかないが少しばかり派手なことになりそうだ。少しばかり仕込みと準備も必要だ。
女の携帯を探してみると大量のアプリが入っている、月経アプリなんてものまである。探してみると・・・やはりあった。こういう女なら絶対に入っていると思った。
あとはこの女が持っているであろう充電器さえあればこいつらにはもうなにも用はない。
悪くない。悪くない気分だ、そう悪くない。不謹慎だが俺は少しウキウキしている。時間はまだ昼、夕方までには全部済ませられそうだ。
立ち去ろうと歩き出し、路地を抜け出したところでない気無く振り返ると俺の転機、あの日を思い出した。丁度同じこの路地裏で全ては始まった。
あの日あの時この場所で絡まれていたアイツを助けなければこんなことにはなっていなかっただろう。
いつもどおり明とゲーセンに寄って、家に帰ってゲームをして、翌日も学校で友達とダベッて終わる、そんないつもどおりの日を過ごしていたんじゃないだろうか?いや、なっていただろう。
ほんの些細な気まぐれでこうなったと思うと人生なにがあるかわからないものだなと改めて考えさせられる。塞翁が馬というやつだろうか・・・なにか違うような?
なんにせよあの日を思い出した。どこにでもいそうな少年Aの日常はあの日終わって、いま俺はここにいる。
色々準備をしなければならない、俺は女の携帯を操作しながらまず手始めに明に電話をかけた。
この作品は合気道、ボクシング、システマ、エスクリマ、カラリパヤット、太極拳、マットピット、クラブマガ、八極拳と少々の外道成分多めでお送りしております(´・∞・)b