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接ぎ木

作者: 竹山来夢

超短編です。用心して下さい。

ねぇ……




何で僕なの?




他にもいっぱいいるでしょう?




その中から僕を選ぶなんておかしいよ




僕この場所がいいんだよ?




だから他の子にしてよ……




別にあの人の邪魔をしてる訳じゃないでしょう?




僕は僕の為にやってるだけで

あの人からは何も奪ってないよ




だからお願い助けてよ……






別に理由なんてないんだよ




たまたま君が選ばれて




君に退いてもらおうと思ってる




大体誰が選ばれたって何で僕なのって言うでしょう?




だったら条件は一緒だよ




それに君だけに退いてもらう訳じゃないよ




他の何人かにも頼んだんだ




皆だってこの場所がいいんだ




でも誰かがやらなきゃ皆中途半端になっちゃうんだよ




君はあの人の邪魔をしてないと言ってるけれど




確かに故意にはしてないよ




でも君が成長しているのが邪魔をしてる事になるんだ




だから君にはこれ以上成長はして欲しくないんだ




全てはあの人の為なんだよ





僕は成長することすら許されないの?




じゃあ何の為に生きてきたの?




存在に意味はないの?




ここからいなくなって初めて意味が生まれるの?




だったら生まれてきたく無かったよ……




理不尽に芽を摘み取られて




それが嬉しい人なんている訳ないよ……






君だってもしかしたらあの人になれたんだ




その可能性を持って君は生まれたんだ




だから君の存在は無駄じゃない




それにあの人の為に生きたって思えば君はあの人の中に生きているも同じだよ




だから意味がないなんて思わないで誇りに思って受け止めて欲しいんだ……






いや……うん




確かにそうかもしれない……




僕は元々あの人になれるような器なんて持ってなかったんだ……




こんなに頼まれなきゃ動こうともしない僕なんだ……




これでやっと意味が生まれるんだ……




僕が死ぬ代わりに




意味だってきっと僕が邪魔で出てこれなかったんだ




死ぬ事で邪魔になる事は有り得ないだろう




それじゃあ僕を摘み取って……




その日からその場所にいくつかの空席が生まれた……




いやあ快適だね




俺にとって邪魔な奴は皆消えてくれた




でも話し合いならもっと静かにやれよ




こっちは気持ちよく寝てたんだからよ……

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