一章「インストール」
家の玄関の鍵を開けて扉を開けると、
どぉん!どどどぉぉぉ…...とととどどどお!!!
「もう来たか・・・」
告白して付き合っていた男子に何か全体的に良い雰囲気になったところで「好きな子が出来たから、別れてくれ」と話を切り出され、それでブラコンに奔った妹・・・いや、義妹が「お兄ちゃんおかえり~」と言って義妹ミサイルをかまそうとする。
背後は硬い石畳の階段なので万全な受身の体勢に移行しようとすると
どすっ!・・・いっってぇ~
見事にくの字に曲がった俺はそれなりの段差がある玄関の階段の一段下に突き落とされる。義妹ミサイルはそんな威力があるのだ。
「彩、それはもうやめてくれ・・・!?」
最後の絶句は彩が自分のそれなりにある胸を押し付けてきたからだ。
「!?・・・!!?」
不測の事態におどおどしながらヘルプミーと目を姉にやると、
姉よ...ケータイモッテナニヤッテンスカ?
パシャシャシャシャシャシャシャシャシャ...
九連写しやがった...
しかも笑ってやがる!!
はぁ・・・不幸だ・・・
その後俺は、まだ胸を押し付けてくる彩を退かし、自分の部屋に戻った。
「・・・なにしてんの?」
「ちょっと、借りるわよー」
部屋には姉が居た。しかも、俺のパソコンつけてるし!
絶対秘蔵フォルダが見つかればいろいろヤバイ。隠してないし。厄介だ。うん。とても。あっでもパスワードかけてるからダイジョーブかなーと見ていると、
《テロリロリーン♪》
・・・は?パスワード。バレテル?
「ちょっと待ったー!」
俺は急いで《フォルダ オプション》から《隠しファイルおよび隠しフォルダを表示しない》にチェックが入っていることを確認するとデスクトップの絶対秘蔵フォルダのプロパティを開くと隠しファイルにチェックをつけた。プロパティをOKを押して閉じると絶対秘蔵フォルダが半透明になり画面から消えた。
「ちょっと、パソコン借りたいんですけどー」
「おわっ!ごめん。」
危なかったーと安堵してると、
《ウィーン...ガシャ》と姉が光学ドライブのふたを開けて、絵柄が見たことのないディスクを入れた。
興味本位で「何それ?」と聞いてみると、
「さっき買ってきたやつー」
と、答えてくれた。
「またゲーム?」
「うん」
「どんなやつ?」
「説明書がそこにあるから見てー」
説明書が床に転がっていたので見てみると、
《勇者どもよ、そろそろ正義の味方を演じるのも飽きただろ?我が素晴らしき帝国に寝返り、悪の世界を心ゆくまで楽しんではどうだね?
なに?「それは出来ない」だって?そんなに世間の目が気になるのか・・・ならば仕方あるまい。我が愛する手下どもに、愚者退治を命じるとしよう・・・
・・・正義の仮面をかぶった〝偽善者ども〟に、悪の力を思い知らせてくれる!!!》
・・・なんだか圧倒されてしまった。
「・・・なんか凄いね。これ。」
「でしょっ!?」
「なにそれ?ゲーム?みせて?」
今話しかけてきたのは、氷。義弟だ。ちなみに俺と氷とは相部屋だ。
「ほら」と言って説明書を氷に渡す。
見事キャッチした氷はページをめくる。
「これはまた・・・マイナーな・・・」
《グロォォォロ!》
「あっ起動した。」
・・・何だか気色悪い生物?が見える。
「ねぇインストールしていい?」
「Dドライブにインストールしてねー」
「分かったー」
姉が俺のパソコンにインストールし始めた。
昨日は2話連続投稿は用事があったんで出来なかったので今日にしました。
なんか、いろいろすみません。