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BLOOD STORY  作者: 初、
30/48

第二章 16:閑話、兄からの手紙

 本日の授業を終えて、ルナはルームメイトとともに自室に戻った。

 そこで自分宛ての荷物が届いているのを確認して、彼女はパートナーに対する溜飲を少しだけ下げた。

 置いてあった布の袋を開けると、何日か分の着替えと日用品が詰められていた。

 それと、一通の手紙。

「お兄さんから?」

 手紙を開いたルナの後ろから、グレタが覗き込む。


 エリーへ。

 新規の顧客から取引の依頼あり。しばらく街から離れる。

 頼まれていた失せ物は見つからない。そちらで工面を頼む。

 カイルより。


 手紙を読み終えたルナが、いつもの癖でくしゃっと握り潰した。

 燃やそうとして、気付いてやめる。

「随分とそっけない手紙ね」

 すぐに興味を失ったグレタが、二段ベッドの下段に腰かけた。

「…仕事が忙しいのよ。きっと」

 日用品を整理しながら、ルナが答える。

 手紙の内容を意訳すると、こうだ。

 ――情報筋から新しい情報が入ったから、しばらくそちらを調べることにする。ヴァルターの娘、テオドラ・ブロムの手掛かりはまだ掴めない。ルナの方でも引き続き、調査を進めてくれ。

 テオドラはこのアウレリア学院の生徒だった。そしてある時期から、連絡が取れなくなった。

 生存しているのかどうかすら不明だ。

 ルナと同様に、この寄宿学校に入学したばかりのグレタに聞いても、なんの情報も得られないだろう。聞くとしても、ほかの生徒か、教師か。

「そろそろ夕食ね。食堂に行きましょう」

 ベッドの下段で足をぶらぶらと揺らしていたグレタが、ひょいと跳ねるように立ち上がった。

 頷いて、ルナも立ち上がった。

 袋の底にあった小さな額縁を取り出して、机の上にそっと置く。

 額縁の中では、金色の髪の、肖像の少女が屈託なく優しげに微笑んでいた。

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