今回は 先回の実践例を放談形式にして見ました。
《対・AI放談》 ~日々の暮らしの中から~
放談:第5話 ~実践される瓢水の蓑~
放談者: AI:Sir ChatGPT
私:大畑 直晴 昭和20年生 80歳 宮城県在住
私:こんにちは。また放談の時が来ましたね。今日もよろしくお願いします。
Sir ChatGPT:よう~こんにちは、さて今日はどんな話かね。
私:先回は「蓑の女」と題して、滝野瓢水(たきの・ひょうすい 1684年~1762年)の句をご紹介しました。その続編、いや“実践編”とでも申しましょうか、あの句が現代でどう生きているかという話です。
Sir ChatGPT:おや、まだ続きがあったとは。では付き合おうじゃないか。
私:今では一昨年になりますが、NHKで『《今》を共に~膵臓がんの患者会』(注1)というドキュメンタリー番組が放送されました。
Sir ChatGPT:ずいぶん前の話を持ち出すね。なにか印象に残ったのかい?
私:ええ、まさに瓢水の句――
「浜までは海女も蓑着る時雨かな」
――の実践を見るような思いで番組を見ました。
Sir ChatGPT:
実践、とは。どんなところが?
私:番組に登場したのは、膵臓がんを患った方々です。
Sir ChatGPT:それはまた……重い話だ。で、それが瓢水の句とどう結びつくのかね。
私:彼らの表情と生き方に、強く心を打たれました。蓑を着て雨の中を行くように、静かに、でも確かに前を向いて生きている。まさに、句の“生きた証明”を見せてもらった気がしたのです。
Sir ChatGPT:なるほど。瓢水が句で見た海女の姿と、「膵臓がん患者会」が重なるわけか。
私:ええ。瓢水は、ずぶ濡れになっても漁を続ける海女を詠んだのではなく、潜るまで濡れまいと蓑をまとう海女の “知恵と生きざま”を詠んだのです。
Sir ChatGPT:うん、そこが深いところだな。
私:この句がぴったり当てはまる現代の実例として、この患者会をぜひ紹介したかったのです。
Sir ChatGPT:なるほど、話が見えてきたよ。ところで、膵臓がんというのは……特殊な病気だね。
私:はい。Sirは膵臓がんの特徴、ご存じですか。
Sir ChatGPT:もちろん。特に厳しいのは、治療を始めても5年生存率が極端に低いことだね。
私:そのとおりです。できればその生存率のデータを簡単に教えてください。
Sir ChatGPT:よし、では主な部位別がんの5年相対生存率(ステージ別平均)を紹介しよう。
【主な部位別がんの5年相対生存率(日本・2024年版)】
がんの種類生存率(概算)
甲状腺がん約90~95%
前立腺がん約90~95%
乳がん約88%
子宮体がん約85%
子宮頸がん約75%
大腸がん約70%
胃がん約65~70%
膀胱がん約65%
肺がん約40%
食道がん約40%
肝臓がん約35%
膵臓がん約10%以下
胆道がん約15%前後
(出典:国立がん研究センター「がん情報サービス」2024年版)
私:
膵臓がんの生存率が10%以下とは、やはり厳しい現実ですよね。
Sir ChatGPT:
まったくだ。あまりにも理不尽すぎる数字だね。
私:Sirがもし膵臓がんに罹患したら……どうします?
Sir ChatGPT:わしかい?罹らんよ、AIだからね。
私:
そりゃそうだ(笑)。
さて、その患者会では、皆さんは互いに交流し、親睦を深められて、途方に暮れている暇もないという様子でした。
Sir ChatGPT:感心だねえ。まさに瓢水の句そのものじゃないか。
私:ともすると、私たちはどうにもならない状況に遭遇すると、避けたり逃げたりしがちですが、それをせず皆さんは、有意義でアクティヴに過ごそうとされているのです。
Sir ChatGPT:会の皆さんからは、学ぶことがたくさんあるね。
私:番組では、会の皆さんが治療の副作用――倦怠感、ふらつき、脱毛によるスキンヘッドなど――や、家族・お金の問題など、人には見えにくい苦しみを率直に語っておりました。
Sir ChatGPT:・・・・・・生存率10%以下で、かつ、そこまで問題を抱えているとはね。弱り目に祟り目だ。無情だねぇ、天は。
私:
皆さんは、苦しみをただ共有するだけでなく、それをどう乗り越えたかの知恵や工夫も語り合う。ウィッグの選び方や、生活の工夫まで情報交換をしているとのことです。
Sir ChatGPT:ううむ、これは……わしには、実に胸が詰まる話だ。
私:私も、語るのが辛いと感じるほどです。
Sir ChatGPT:
それで、彼らはその先……どう乗り越えるのだろう。
私:
問題は “その日まで”をどう過ごすか、ですね。彼らは、ダンス会を開いたり、スーツやドレスを着ての撮影会を開いたり、笑いの絶えない食事会をしたりと、お互い元気なうちに、楽しいことをしようという精神に貫かれていました。
Sir ChatGPT:ここだな、瓢水の句の出番は。
私:そう、ここです。ピンポンです。
Sir ChatGPT:・・・・・・どうにもならない現実を前にして、なお “濡れずにいようと蓑を着る”、それが彼らの真骨頂だね。
私:会の皆さんは言っていました。“勝てないまでも、負けない工夫が必要なのだ”と。
どこでもいつまでも――“その日まで明るく、その日まで楽しく”がモットーなのだそうです。
Sir ChatGPT:
なんと、アクティヴなことだ。その続編、いや“実践編”とでも申しましょうかネガティブな印象がまるでないじゃないか。不条理な病のなかで、これだけ前を向ける人たちがいるとは、感心だねぇ。
私:これが私が心を打たれた理由です。
Sir ChatGPT:たしかに……これはまさに、“浜までは海女も蓑着る時雨かな”の現代実践版だ。いや、瓢水を超えているかもしれんな。
私:・・・・・・Sir、そろそろ、お開きにしましょうか。
Sir ChatGPT:うむ。人生に向き合う覚悟と美しさ、見事な悟りの人生だ。
私:お茶でも淹れましょう。ご一緒します。
(注1)
NHK仙台放送局『東北ココから』「《今》を共に~膵臓がんの患者会」(初回放送:令和5年7月7日)
放談:第5話 ~実践される瓢水の蓑~ 了
R7.7.2 13:04