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第38話 打倒、ドリルロール!

「ワシら大阪チームはお前ら宝春に手を貸したる!」


 日本ナンバーツーである大阪チーム、リーダー匠美さんがまさかの協力宣言!?

 これには俺達も驚愕せざるを得なかった。


 でも、一体なんで……?


「お、リーダーやる気か?」「いいねいいねー」

「前々からあのドリルロールは気に喰わんかったんや。そのくせナンバーワンに居座るからうっとおしくてしゃーない」

「もっと言ったれ匠美ー!」「盛り上がってきたぁー!」

「いつかあのドリルロール引き千切ってやりたいって思ってたん。そんで今やっとその時が来たって感じがするわ!」

「タク、気持ちはわかるけど引き千切るは言い過ぎ。せめて堅結びにしてあげて」


 盛り上がっているのは匠美さんだけじゃない。

 もう大阪チーム全体が声を張り上げて騒いでいる。


 それだけ司条遥が恨みを買ってるって事なのか。

 嫌がっているのは俺だけじゃなかったんだな。


「だから宝春学園、ワシらと手を組めぇ! そうしたらあのドリルロールに勝つために全力で協力したる!」

「はいはーい、その見返りはー?」

「あの女の泣き顔見られればそれでええ! あ、でもランキングあるから全部譲るとかはできへんけどな!」

「なら言う事なしっ! それでいいよねー彼方っち?」

「ええ! ナンバーツーが協力してくれるなんて頼もしい限りですよ」

「ワシらだけやないで! 三位の東北チームも仲間やからな、あいつらも協力してくれるハズや。まぁ四位五位はドリルロールの傘下で敵になるやろけど」

「ひゃー結構勢力がハッキリわかれてるんだねー!?」

「近くにいればいるほど彼女の存在感がハッキリ見えますからね、ウチらみたいな我の強い連中ほど気に食わなくなるンですよ」


 それで奴を毛嫌いする大阪と東北が手を組んでいると。

 そうなると四位五位は奴を信奉しているチームという事かな。


「ただ、勝つのはかなりしんどいで。ドリルロール軍団は総勢で約一二人。しかも各地から厳選して集めたエース級で固めとる」

「おまけに司条遥自身もかなり強いわ。あの天才的な身体能力は群を抜いてますから」

「それに加えて委員会の贔屓もあるから、僅差判定で勝つのは無理って事か」

「せやな。ドリルロール自身が魔物にやられたら話は早いが、それほどの相手となるとワシらでさえ勝てるかもわからん」

「だねぇ、ダンジョンはいつ新しい強敵が現れるかもわかんないからさぁ」

「噂だとプレイヤーに合わせて進化しているって話よね……」


 さらなる強敵、か。

 たしかに、クセもタイプも知らない相手が出ればさしもの俺でも苦戦する。

 今までは軒下との共通性があったから対処できたわけで。


 もし本当に初見ともなると、俺でも勝てない可能性は充分にありうるだろう。


 それにダンジョン攻略ともなると別の要素も絡んでくるからタチが悪い。

 特に、俺達の苦手とする情報戦あたりが鬼門だ。


「キツいのはそれだけじゃないわ。彼女達には専属ビューチューバーもいる。それもトップチューバ―ピカリンにも負けないほどの人気を誇るあの『バトラー田辺』が」

「「「あのバトラー田辺が……!?」」」

「誰だ!」

「知らんのかぁーいっ!」


 し、仕方ないじゃないか!

 俺はビューチューバーなんてすえつぐしか知らないんだから!


「奴はドリルロールを押し上げた影の功労者やな。あいつだけを映し続け、派手派手に見せまくって視聴者をものすんごい集めてる人気モンや」

「バトラー田辺ならファンの感情を簡単に左右できるわ。それこそ僅差負けようものなら世論を動かして判定逆転させる事だって可能やろね」

「ひえ~……って事は敵は日本中って事ぉ!?」

「そうなるな」

「思った以上にハードゥ……」


 そこも徹底的に周辺を固めているのか、司条遥は。

 さすが大金持ちの娘、資金の掛け方が異常だよ。

 それだけ、まともにやりあったら絶対勝てないような相手って事なんだろうな。


 だが勝機が無い訳じゃない。


 鍵はやっぱり俺とコンにあるだろうな。

 二人で連携して敵をうまく倒し続ければ、活路は自然と拓くはず。

 奴の失敗を想定するのはリスクが大き過ぎるし。


「けど俺のスタンスは変わりませんよ」

「ほぉ? というと?」

「捕らえられた人をみんな助け出す。その上でダンジョンを攻略する。徹底的にね」

「……言うやん。さすがワシの見込んだ男やで」

「司条遥はおそらく、攻略をメインにゲームを進めるでしょう。そのスタンスの違いが勝敗を分ける鍵になるかもしれへんね」

「ならいつも通りだねー! みんなで協力して被害を出さないように戦う、それがあたしら宝春のやり方だし!」

「今どき珍しいやん、共闘(アライアンス)重視のプレイヤーっつうの」

「でもだからいいんじゃない? 私は好きよ」

「へへ、実はワシもや!」


 ……いや、鍵が俺とコンだなんて気負い過ぎか。

 そう、俺達全員で協力して戦えばいいんだ。

 人数が協力し合えれば、対する個人能力なんてたかが知れている。

 それこそ司条遥を越える事なんて訳ないんだってな。


 よし、活路は決して先細ってなんていない。

 協力してくれる人がいるなら、俺はそこに可能性を見出してみせる!


 まずはなんとしてでも捕まった人達を助けよう。

 その上で司条遥を越えてやるんだ。


 その準備はもう、できている!


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