夢と恋桜 第一編
今回初めて投稿させていただきます!
長い小説となると思い区切りながら投稿したいと思います。 初めてで下手なりに頑張って書いたので読んでいただけると幸いです。
よろしくお願いします!
「またね」
バサッ! 汗だくで目を覚ます
「なんだ。 夢か」
カーテンを開け、とても晴れた朝。
日の光が射す部屋で制服に着替える。
階段を降り、身支度を済ませ玄関へ向かう。
すると……
「大翔! 弁当忘れてるわよー!」
母から呼び止められ、弁当を受け取り玄関を開ける。
「いってきます」
「いってらっしゃい!」
家を出て、通学路を歩く。
いつもと変わらない道だが、今日は少し違って桜が
咲いている。
俺はこの桜並木をなぜか少し特別に感じた。
「大翔ーー! 待てよーー!」
後ろから大きな声で呼ばれた。
振り返って立ち止まると、友達……いや、幼馴染の秋人だった。
「おはよ! 今日から俺らも高校2年生だな! 楽しみだよなこれからさ! 色々イベントたくさんあるからな!」
「あぁ……そうだな」
そう、俺は今日から宮園高等学校の2年生になるのだ。
秋人は、楽しみそうだが俺はそこまで楽しみという訳ではない。
修学旅行や自分の進路についてが主だろう。
なんとなく毎日をあたりまえに過ごしてきたからこれからもそうだろうなって思ったら楽しむことができない。
「あーそういえば、今日から転校生来るかもって話だぜ!」
「そうかよ。 なんで秋人がそんなこと知ってるんだ?」
「まぁ、俺も風の噂ってやつだから確信はねぇけどな!」
そう言って秋人はヘラヘラしていた。
秋人はずっとこんな感じだ。つねに笑っていてる。
いつもの様に話をしながら学校に着き教室ヘむかう。
教室に入り俺は窓側の1番後ろの席だ。
いつもこの席から外を眺めている。景色を見ていると心が楽になった気がするのだ。
ガラガラガラ……
「全員席につけーー」
教室に担任の田中先生が入ってきた。
教卓の前に立ち話を始める。
「今日、みんなには報告がある。 今日から1人クラスメイトが増えるぞ!」
転校生の話は本当だったのか。
教室の雰囲気も一気に騒がしくなった。
「はい、全員静かに!」
「入ってきていいぞ!」
転校生が入ってきて教卓の前に立ち自己紹介をする。
「わ、わたしの名前は琴吹 彩です! 青森から少し事情があってこちらに引っ越してきました。 皆さんよろしくお願いします」
彼女は自己紹介を済ませると同時にお辞儀をした。
教室は、また騒つく。
俺も聞いていて青森から岐阜まで来るなんてすごいなって感心した。
先生は席を彼女に伝える。
「窓側の1番後ろの先の隣が君の席だ」
「はい、ありがとうございます」
彼女は、席に着いた。
「よろしくお願いします」
彼女はそう言ったが、俺はうなずくことしか出来なかった。
「これで朝のホームルームは終わります」
田中先生がそう言うと、クラスの学級委員長が号令をする。
「起立、礼」
クラスの皆が一礼して朝のホームルームが終わる。
しかし、先生が教室をでる直前で呼ばれた。
「夏目ーー、ちょっとこっちにきて来れーー」
呼ばれた方へ、向かった。
「あのな、琴吹の教科書がまだ準備できてないから隣の席のお前がみせてやってくれ。 頼むぞ!」
俺は、戸惑った。 実は女子と話すのが苦手というかあまり話したことがない。
でも頼まれたことは仕方がない。
もうすぐで、1時間目の国語も始まる。
田中先生がきて号令をして始まってすぐに琴吹にこう言う。
「琴吹、教科書が揃うまでは隣の夏目に見せてもらってくれ! 席を合わせてもらったほうがいいな! 夏目も合わせてやってくれ!」
言われた通りに席を合わせた。 緊張してとてもじゃないが話せそうになかった。
すると、彼女は俺に小さい声で「ありがとう。夏目くん」と言ってきた。
彼女の小さい声には、まだ恥じらいも感じたがそれ以上に勇気をだして伝えてくれたことがわかった。
そんな、勇気を出してくれた彼女に俺が返せる言葉は「お、おう」が精一杯だった。
でも、不思議だった。 彼女と話すのは確かに緊張して会話という会話はできなそうだが他の女子とは何か違う気がするんだ。
この最初の会話以降話すことはなく、1時間目の授業も終わる。と同時にクラスのみんなが興味津々で琴吹の方へ向かってきた。
人混みになった身の周りを避けたくて、トイレへ向かおうとすると、秋人が俺に話しかけてきた。
「大翔もトイレ行くのか? 俺も一緒に行くよ!」
「ついてきてくれなんて言ってないだろ」
「そんなこと言うなよーー。 で、どうだよ琴吹さんとは仲良くなれそうか?」
ニヤニヤしながら、聞いてくる。
それには俺も照れ隠ししながら答える
「そんなすぐなれるかよ! 初めて会って急になれる方がすごいと思うね!」
「ふーん。 でもちょっとは気にしてるだろ。 少し赤くなってんぞーー」
秋人はこういう時、よく俺を見ているとほんとに思う。 こいつには嘘をついてもすぐ見透かされてることが多い。
教室に戻り授業を受ける。 いつもと同じように、ただ時間が過ぎるのを待つだけ。
そして今日の全部の授業も終了して学校は終わる。
(今日、琴吹と朝以来1回も会話してないな)
なんてことを考えながら家まで帰った。
俺が帰ると母は買い物に行っているのかいなかったら。 自分の部屋へ向かい、着替えを済ませ課題に取り掛かる。 教科書を開き課題をするが1つ気になった。
(琴吹はどうやって課題をするんだろ…… ってなんで俺が琴吹のことを気にしてるんだ。 今日初めて会って1回会話しただけなのに)
琴吹のことを忘れて俺は、課題を終わらせる。
すると、ちょうど母が帰ってきた。
「大翔ーー! 帰ってきてるのーー?」
「あぁ、いるよーー」
「なら、降りてきなさーーい! おやつ買ってきてるからーー!」
下に降りて、母からおやつのお菓子をもらい上に上がろうとするが母から呼びとめられる。
「今日、始業式だったんでしょう? なにか変わったことはなかったの?」
「特になにも変わったことはなかったよ」
担任の先生も1年の時からと変わっていなかったしクラス替えはあったが、話すのが面倒だったから適当に返答した。
唯一変わったとすれば転校生の琴吹ぐらいだが、それも黙っておくことにした。
すると、母はこう言った。
「あら、そうなの? 隣の春波さんのお家に大翔と同じ制服の女の子がいたからてっきり転校生かと思ったんだけど……」
は!? なに言ってるんだ母さんは。
春波さんのお家はおじいさんとおばあさんの2人暮らしだからたしかに女の子なんていなかった。
ということは、その女の子が琴吹なのか……
「あぁ……転校生ね、そういえば今日同じクラスになったよ。 女の子だったからもしかしたらそうかもな」
「あら、やっぱりそうなのね! ちょうど渡したいものもあったから挨拶に行ってみようかしらね! 大翔も行く?」
「いや、俺は行かないよ。 まだ課題残ってるし」
実は課題はもう終わってるけど、もし琴吹だったらってことを考えると確かめたい気持ちもあるが恥ずかしい気持ちの方が勝ってしまう。 だから行きたくなかった。
自分の部屋に戻り、もし本当に春波さんの家に琴吹がいる家だったらと考えていた。
すると、さっき家を出たばかりの母がすぐ帰ってきた。
俺は母のいるリビングに降りていく。
「誰も家にいない様子だったのよ。 インターホン押しても誰も出てこないからどこか出かけてるのかしらね」
母は残念そうに俺に伝えてきた。
「そうか。 まぁ夜ご飯の買い出しとかに行ってるんじゃない?」
「そうかもね。 いつか会ってみたいはね。」
「じゃあ、俺は部屋に戻って課題を終わらせるよ」
俺は、また嘘をついて部屋にもどる。 部屋から外を見てみると、春波さんの家の部屋が電気がついている。
(でも、さっき誰もいない様子だって母さんは言ってたし消し忘れかな)
少し気になったが、母さんに聞いたりはしなかった。
それからは、いつも通り晩御飯を食べたりお風呂に入ったりなどいつもとなにもかわらない日常を送る。
そして部屋にもどりベッドの上でぼーっとしていた。
気がつくと、外はもう明るくなっている。 ぼーっとしている間にいつの間にか眠ってしまっていた。
準備を済ませ学校へ向かい教室に入ると琴吹はもう席について本を読んでいた。
「おはよう」
少し緊張しながらだが琴吹に挨拶してみた。 すると、琴吹からも「おはよう」とかえってきた。
課題のことも気になっていたが、机の上には教科書があったから大丈夫なんだろうと思い聞かなかった。
この日から、朝におはようと言い合うだけの日々が続きもう6月になった。
6月になったら宮高では体育祭が行われるので教室は大盛り上がりしている。
「今から体育会の各競技にでるメンバーを決めていきたいと思う。 誰か前に出て指揮をとってくれないか?」
田中先生がそう言った途端に秋人がものすごい勢いで手をあげた。
「はい! 自分がやります!」
「おーそうか! 頼むぞ!」
話し合いが始まり秋人が上手く指揮をとり順調に進んでいる。
競技の種類は、クラス対抗リレー、4人5脚、騎馬戦、綱引きなどこれ以外にも他にあるのだがクラス全員で行うのはこの4競技だ。
俺は、他の競技に立候補するつもりもなかったので聞き流そうとしていたが4人5脚のグループ決めの話に変わっていた。
どんどんグループ分けがすすんでいる、俺は誰と一緒になるのか気になる。
すると、同じクラスでもあり幼馴染みでもある平沢 律が手をあげてこう言った
「私と秋人と大翔と琴吹さんで4人5脚にでます!!」
(は!?律のやつなに勝手に決めてるんだよ)
そう思っていると、秋人は律にこう言った。
「おー! それいいな!」
勝手に話し合いが進む中、嫌だなんて言える雰囲気では当然なかった。
そして、それから順調に進んで話し合いもおわり放課後、いつもの様に帰ろうとしていると後ろから声が聞こえた。
「大翔! 一緒にかえろうよ!」
そう言って来たのは、律だった。
「おう・・・」
俺はそう言って、一緒に帰る事になった。
二人で歩いていると律が「体育祭、楽しみだね!」って言ってきた。
そう言った律に対して俺は
「そうか? 体育祭なんて俺はあんまり楽しみではないかな。」
今日の勝手に決められた件もあって少しそっけなく答えた。
「なんで、そんな風に言うかな? みんなで競技なんて楽しいじゃん! 4人5脚だってあるんだよ! 私まだ琴吹さんとも話したことないから体育祭で仲良くなるのが楽しみなんだよね!」
律は、俺に目を輝かせながら訴えかけるように言ってきた。
「それなら、律は律で楽しめばいいんじゃないか?」
「それは違うよ! 私は、みんなで秋人、大翔、琴吹さんと楽しみたいの! じゃないと意味がないじゃん!」
「あーわかったよ。 ならできるだけ楽しめるようにするよ、じゃあな。」
ここからは帰る方向も違うからそう言って帰った。
(なんで律から琴吹の名前が出るだけで気にしてしまうんだ。)
そんなことを思いながら家へ帰る。
家に帰ってからもずっと体育祭のことが頭から離れない
(そういえば、明日から競技の練習とか始まるっていってたな・・・)
(まぁ、今日は寝るか。)
俺は寝てしまった。
最後まで読んでいただきありがとうございます
次は体育祭編を考えており、これからもっとおもしろくみなさんが共感したりする様に努力しますので次の投稿までお待ちください!頑張って質の良いものを早く投稿できるよう頑張りますので応援よろしくお願いします!