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カオス

お待たせ致しました!

 目を覚ますと見慣れた自宅の自室にいた。目の前には細かな装飾がされた天蓋が見える。


「お嬢様、ご気分はいかがですか?」


「ロイン……大丈夫よ。何方が私をここに?」


 ロインは私付きのメイドで、私の幼少期からお世話になっている。明るい茶色の髪と目をしていて、可愛らしい印象を受ける。


「旦那様から聞いた話では会場にいらっしゃった魔族の方が運んでくださったそうです。今は旦那様が応接室でお話を」


 あの会場にいたということは位の高い方だわ。お礼を言わないと。


「そう、ありがとう。では私もお礼を……」


「お嬢様?何を言ってらしてるんですか?」


 ロインの顔が近くまで寄ってきた。すごく怖い。


「お嬢様はお倒れになったのですよ!あとは旦那様にお任せしてゆっくり休んでいてください」


「でも……」


「でもではありません!なにか食べられそうなものを持ってまいりますので横になっていてください」


 ロインは私に釘をさして部屋から出ていった。これ以上ロインを怒らせると怖い。それに、日頃の疲れが急に出たみたい。体が鉛のように重くて腕を動かすのもだるく感じる。


「お待たせ致しました」


 部屋に入ってきたのはロインとお父様。ロインは私とお父様が話しやすいよう体を起こすのを手伝ってくれる。そのあとはすぐに部屋の奥で果実の皮を向き始めた。


「アーリア、気分はどうだい」


 お父様は私の顔を覗き込み心配そうに尋ねる。


「もう大丈夫ですわ。それより、あの後どうなりましたの」


「それはだな……」


 何故かあの後のことを言うのを渋っている。ああ、そういうことなのね。お父様は私を心配してくださっている。


「お父様、私は本当に大丈夫ですわ。だから話して下さらないかしら。もちろん話せるところだけで構いませんので」


「アーリアがそう言うなら……お前が倒れた時、助けてくださったのは魔王陛下だ」


「まぁ、あの?なぜ私を……」


 魔国の魔王陛下といったら悪逆非道で人間を嫌っているという噂がある。私は今日のパーティーで初めてお見かけした。銀色の短髪で金色の瞳をされていてとても素敵な印象を受けた。あの殿下のせいで言葉は交わせませんでしたけど。


「私も驚いたよ。まさか魔王陛下が助けてくださるなんて。アーリアは私の手の届かないところにいたからね、アーリアが倒れた時は心臓が止まるかと思ったよ」


 本当に心配をかけてしまって申し訳ないですわ。


「それで、あのボンクラ王子だが」


「お父様、本音が漏れていますわ」


「おっと、失敬。"ザグロス殿下"だがな、魔王陛下がアーリアを助けたのが気に入らなかったんだろう、憤慨してな。暴れそうになったところを魔王陛下の側近の方が止めてくださったのだ。陛下は王妃様に出ていかれてショックを受けておった」


 まぁ……すごい状況。思っていたより大変そうですわね。これを前世では何と言うんでしたっけ?"カオス"だったかしら。


「その後は何だかんだで全員帰らせたよ」


 お父様、一番面倒なところを省きましたわね。随分と大変だったようですし、私もそこにはあまり興味が無いから口は挟まない。


「本題だが、お前の国外追放の事だ」


 ええ、そこが一番気になってましたの。私の案もありますし、国外追放自体はなんとも思っていないのですが、お父様の外聞が悪くなるのは嫌ですわ。


「結局、国外追放は取り消しにはならなかった」

読んでくださりありがとうございますm(*_ _)m

コツコツと書いておりますので次回もお楽しみにお待ちください。

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