チート・デ・チート
「転生特典にチートをご希望ですが…」
女神はため息交じりで、そう答えた。
相手は違えど、何回としてきたやり取りだ。
「…いえ、構いません。ただ、世界のバランスを崩壊が恐れがある場合、強制力が発生します」
一応、補足説明をする。
それでもチートを求める転生者。
「それでも構わない…そうですか」
女神はこれ以上の説明は無意味と希望する、チート能力を聞く。
そして、転生後の世界への設定に反映させる。ただし、チート能力だけに正規の手続きはできない。
「なら、良き転生ライフを…」
転生者はすぐさま、その世界からBANされた。
ただ、転生者は転生もすることも意識が消滅することなく、遠目でその世界を眺めることしかできない。例えるなら、ゲームのタイトル画面をただ眺めているだけ。それも延々と。
そして、転生者は考えるのを止めたが、今もただ、その世界を眺めめだけしかできない。