輝夜姫とかぐや姫
お待たせしました!では、どうぞ!
「よし!今日も全員いるな〜!とりあえず今日の予定話すぞ〜。前に言ったと思うが入部したい部活が決まったやつは俺に伝えろよ!以上だ!」
そう言って先生は教室を出ていった。
「翔吾は決まったか?」
「あぁ、俺はサッカー部にするぜ、司は?」
「俺は…古典部かな」
「古典部?聞いたことねぇな。」
「ま、適当だよ」
そう言いながら司は輝夜の事を思い出していた。何故か彼女の事を忘れられなかったのだ。
そして放課後…
「先生、少しいいですか?」
「あぁ、いいぞ。確か…帝君だったかな?」
「はい。古典部に入部しようと思いまして」
「古典部か!担当は俺だから任せておけ!」
(え!?嘘だろ!このガタイで古典部かよ!)
身長180近くゴリゴリのマッチョが古典部の担当とはヤバすぎである(語彙力)
「とりあえずは本の整理をお願いしたい。これ部室の鍵な。頼んだぞ〜」
(そしてやって来ました古典部!相変わらず本多いな)
見る限りに本が積み重なっており500冊ぐらいはありそうである。司は先生から本の振り分けのためのマニュアル本を貰っていたので仕分けることにした。
(これはこっちで…これはあっちか。これは…エロ本やないかい!?けしからん、処分だ処分。)
とか言いつつバックにしまう司であった。
(さて、トレジャー、トレジャー!)
「何しているのですか?帝さん?」
「うわっと!なんだ、輝夜さんか。びっくりした…」
「それはすみません。それで…何しているので?」
そう質問している輝夜の目はジト目であった
(美少女のジト目は威圧感あるなぁ…)
「俺は今日から古典部員になったんだよ。んで、先生から本の整理を頼まれてね。そういう輝夜さんは?」
「…まぁいいです。私も入部したんですよ。よろしくお願いします帝さん?」
「うん。よろしく。そういえばさ、どうして俺の名前が帝って分かったの?ほぼ初対面だよね?僕達」
「っ!いえ、たまたま貴方の話を聞いたんですよ。えぇ、偶然ですよ。」
「そ、そっか。一応自己紹介しとくと同じ1年の帝司だよ。」
「輝夜姫です。よろしくお願いします。そして、本の整理私も手伝いますので早く終わらせましょう。」
「了解。じゃあその本は…」
こうして司は輝夜と本の整理を始めたのであった。そして、整理が終わる頃にはあたりは夕方になっていた。
「これで最後っと!ふぅ、お疲れ様、輝夜さん」
「えぇ、お疲れ様です。少し休憩してから帰りましょうか」
「そうだね、じゃあ先生がさっきくれたお菓子でも食べようか」
「そうですね、私はお茶を入れますので、少し渋めのがお好きでしたよね?」
「うん。お願いしようかな」
(あれ?僕渋めのお茶が好きって言ったっけ?まぁ、いいか。)
準備を終え司は暇つぶしに本を読もうと思い昨日読みかけのかぐや姫の本を読むことにした。
「お待たせしました。どうぞ。」
「ありがとう。…うん、美味しいよ」
「そうですか、良かったです。所で何を読んでいるので?」
「あぁ、昨日の読みかけのかぐや姫の本だよ」
「…かぐや姫ですか。このお話は悲しいですよね、姫は無理やり月に連れていかれるのですから…」
「まぁね…僕はさ、なんか違う気がするんだよね」
「と、言いますと?」
「このお話はあえて悲しい話にしてると思うんだ。人は嬉しいことよりも嫌なこと、悲しい事の方が覚えやすいからさ…だから本当はこの話を覚えていて欲しいから、こんな感じにしたのかなって」
「そう…ですね…。」
「あ!ごめんね!こんな話して。…でも、そんな気がするんだ…忘れては行けない、約束が」
「え?約束…ですか?」
「え?何それ?」
「いえ、ところで帝さん。何故泣いているのですか?」
「っつ!…またか。最近何故か泣いちゃうんだよね。どうしてだろ。ドライアイかな?あはは」
「……」
「まぁ、そろそろ僕は帰るよ。輝夜さんも気をつけて帰ってね」
「はい。お疲れ様でした。」
そして部室には輝夜だけが残っていた
「帝司さんでしたか。やっぱりあの人は帝様の生まれ変わり…やっと、やっと逢えました…。でも、記憶は思い出していないようですね。早く思い出して…そして、私を殺して…」
そんな輝夜の呟きは誰もいない部室に小さく響いた。
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