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刀の道、空の旅、戦場の風。  作者: 緒方白秋
第一章 刀の道
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〇 第壱話『少年、刀神と斬り合う』-1

 燦国(さんのくに)の帝都である西籃(セイラン)、その南の大門(だいもん)をくぐって、綺麗な格子状に区切られた街並みを、北に三区間、東に二区間進んだところに、その道場屋敷(どうじょうやしき)はある。

 軒先の大きく古い看板の文字は掠れ、もう何と書かれていたのか読むことはできない。敷地は大きいが、屋根瓦はところどころ剥がれており、庭先は荒れ果て、そこに植えられた蟠桃(ばんとう)の木々はとうの昔に枯れ果てている。

 そんな荒んだ有様の大屋敷を、日の昇る頃に尋ねると、(よわい)六十は越えようかという白髪の老人が一人、板張りの床を、濡らした布巾で丁寧に拭いているのを見ることが出来る。

 何も知らない者が見ると、年季の入った小間使いが一人、朝も早くから潰れかけた屋敷の掃除をしているようにしか見えない。

 しかし、一度でも武を志したことのある者は知っている。その老人が、四十年前に起こった北方の蛮族との大戦乱において、たった一振りの刀を(たずさ)えて、十の戦地を渡り歩き、百の勝利を築きあげ、千の敵兵を斬り倒した伝説の剣豪、“刀神(とうしん)頑羽(ガンウ)その人であることを。

 一見、荒れ果てただけに見えるその道場屋敷は、老人の功績に対して帝から与えられた国営の道場なのである。

 そして、頑羽が床をすべて綺麗に吹き終えた頃には、その道場に、彼から武の神髄を学び取ろうと、多くの弟子たちがやってくるのだ。


 その日も、この稽古場には何十人もの弟子たちが詰めかけていた。


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