せんろのちかくにすんでいるおともだちへ
「線路に入っちゃだめだよ」のほかに「線路の上にものを置いてはだめだよ」と、そのひと言を伝える必要もあることを知りました。
でんしゃは大きくてはやくてかっこいいよね。
とおりすぎるのをまっていると、「ばあん」ってかぜがふいてきもちいいよね。
大きなしゃりんが、がたんごとんがたんごとん。
せんろをぎゅっぎゅっとふみしめて。
ぞうよりもライオンよりもつよそうだ。
くるまやせんしゃとぶつかってもかてそうだ。
ふみきりでまっている小さなきみには、でんしゃのほかにも見えているはず。
目のまえに、すてきな石がたくさんころがっているだろう?
大きくて、かくばっていて、まちではあんまり見かけない。気になるよね。
がっこうからおうちまで、石をけりながらかえったことはあるかな?
おおきくければとおくにとぶ。だけど、へんなところにころがっていく。
ちいさくければまっすぐとぶ。だけど、なんどもけらなくちゃいけない。
じゃあ、せんろにある石を、でんしゃのまえにおいたらどうなるだろう?
どこまではねとばすんだろう!
なんこまでとばせるんだろう!
ぎゃくに、どれぐらい大きな石ならでんしゃにかてるかな?
気になるよね。ためしてみたくなるかもしれない。
そういうことをかんがえるのはわるいことじゃない。
あたまがよくなったしょうこだよ。
だけど、ほかにかんがえてほしいこともある。
でんしゃにけられた石はどこへとんでいくかな?
となりのみちにとんだら、あるいているおとしよりにけがさせてしまう。
ちかくのいえにとんだら、ガラスまどをこわしてしまう。
なんこも石をおいたら、あっちこっちにとんでいく。たくさんこわしてしまう。
大きな石をおいて、石がでんしゃにかったらどうなるだろう?
そう、でんしゃが止まるよね。
そうしたらおとなはかいしゃにいけなくなる。こまっちゃうよね。
石につまずいて、でんしゃがころんでしまうこともある。
ほんとうだよ。「だっせん」って言うんだ。
「だっせん」がおきて、でんしゃがころんだらどうなるかな?
そう、中のおきゃくさんたちもころんでしまう。大けがをしてしまうんだ。
「でんしゃと石、どっちがつよいかな?」ってかんがえられるきみだもの。
「石をおいたらみんながこまる」って、そのこともかんがえられるよね?
せんろ(でんしゃのとおるところ)に石をおいてはいけないんだ。
わかってくれるかい?
木もてつもだめだ、もちろんにんげんやどうぶつも。みんなとばされちゃう。
でんしゃはとてもはやいから、あっというまに目のまえに来る。
見てからにげるなんて、とてもできない!
見えるまえからよけておかなくっちゃ。
だから、でんしゃが見えなくても、せんろの中にはいってはいけない。
せんろをよこぎってもいけない。
よこぎるときは、おとなと手をつないで、ふみきりをとおるんだ。
もういちど言うよ。
せんろにものをおいてはいけない。
せんろの中にはいってはいけない。
おうちのおとなとおやくそくだよ、ぜったいに。
・童話(物語)仕立てにすることも考えましたが、今はその気持ちになれませんでした。
・少しずつですが、シリーズ化しようと思っています。「それは盲点だった」「言わなきゃいけないと初めて気づいた」……等々の事情に出会うごとに。