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最低魔力の魔導技術士  作者: 恋熊
1章 新米の魔導技術士
3/43

プロローグ

 




 国の皆は、同じ方向を向いている。皆が見ているのは、投影魔術で映し出された、とある映像。映し出されているのは王国の領土のその先。


『てやぁッ!』


 1人の騎士が、剣を振り被り、思いっきり振り下ろす。その剣の先には、巨大な鋼の塊の様な化け物。その化け物が、振り下ろされた剣の衝撃にその装甲をカチ割られる。


 ワァー!


 騎士の一撃に、国の皆が興奮し、湧き上がる。


 それは騎士の決死の戦いだ。負けたら死ぬ。勝てば英雄として讃えられる。相手は人間とは違う生命体の、人間では勝てないと思う様なとてつもない化け物。


 しかし、国では、そんな決死の戦いが、まるで英雄を讃える聖戦であるかの様に放映され、国が騎士を応援する。


「頑張れー!」

「負けるなぁ!」

「騎士様ぁ!」


 まるで興奮する試合を見ているかの如く、国中が大盛り上がりになる。そんな様子を見てる子供達は、騎士の格好良さに、皆を盛り上げ、皆に応援される騎士の凄さに、圧倒され、憧れを抱く。


 騎士は剣に魔力を込める。すると、剣がチカチカと光を帯び始める。やがてそれは輝く雷鳴となって、剣を駆け巡り出す。


『ハァッ!』


 騎士が剣で化け物を一閃、薙ぎ払う。剣は化け物の鋼の装甲にヒビを入れるのが限界で、それ以上進まない。ーーしかし。


『グァッッッッ!!!!』


 化け物がもがき苦しみ始める。化け物の装甲に、電撃が流れたのだ。


『けぁあッッッ!!!!』


 騎士はここを好機と、剣を何度も振るう。


 ガァン!!!!ガァン!!!!ガァン!!!!


 化け物の装甲に傷は付かないが、剣が振るわれる度に化け物の体に電撃が走る。


 やがて、化け物は倒れた。そして、化け物を倒した騎士は手を上に振り上げる。


 ワァァアアア!!!!


 その騎士の勇姿に、国中が湧き上がる。そして、子供達は騎士の姿に憧れる。


「すげえ……!」

「かっけぇ!」


 子供達が目を輝かせて、騎士の放映を眺める。


 この国で最も皆がなりたいと思う職業、それは騎士だ。大陸の端からやって来る化け物に対抗し、魔術を駆使して化け物を倒す、そんな魔導守護騎士に、誰もが憧れ、志すのだ。




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