表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

ご覧いただきありがとうございます。短いお話だと思います。

唐突だが、俺には彼女がいない。

産まれて15年、一度だって居た事が無い。

ちょっとデカくて目つきが悪い事を除けば、愛想良くしゃべるし、オシャレにだって気を使ってるんだ。多少なりモテたって罰は当たらないと思っている。最近は、部活(柔道)が悪いんじゃないかと思っている。どうせならサッカーとかを選べば良かった。体が小さくひ弱だった小学生(ガキ)の頃に、親父に勧められて始めたんだが、どうもイメージが良くない。なんだかんだ好きで続けてはいるが、思春期のモテたい願望とは相性が悪すぎるぜ。

そんな俺にも、一応、気になる女はいる。好きか嫌いかで言えば、まあ、好きなんだが……恋愛的な好きかどうかと言えば、正直まだ分からない。


俺が中野仲高校に進学してから、そろそろ2ヶ月。親友の井上 純太(ジュンタ)と幼馴染の江藤 有加里(アカリ)と同じクラスだったんだが、どうもジュンタは隣の席になった赤木 文子(ブンコ)に惚れてるらしい。波長が合うって言うのか?初めて会った日から速効で仲良くなりやがって、こっちから見るとすでに”井上様ご夫妻”って感じなんだが、ジュンタいわく「は、はあ?つつつ、付き合ってないし!!」だし、ブンコいわく「すすす、好きとか、よ、良く分かんないし!!」らしい。(アカリが聞き出した)

こいつらの会話はすでに夫婦漫才なわけで、さっさと付き合えや……と、クラス中のヤツラが思っている。

まあ、一応の親友で有る所の俺としては、余計な口出しをせずに生温かく見守っているわけだが。


だがしかし、一つ困った事が有った。

ジュンタとブンコが2人の世界を作っていると、必然、俺とアカリが2人であぶれる訳だ。

もともと昔からジュンタ、俺、アカリの三人で良くつるんでいた所にブンコが現れたわけで、3人行動から4人に増えたんだが、ジュンタとブンコはイチャイチャしてやがる。

クラス内の班だの移動教室だのも同じ4人組なので、ジュンタとブンコはイチャイチャしてやがる。

そして今、ジュンタとブンコはイチャイチャしてやがる。


「……なあアカリ……」

「なあにダイキ?」

「あいつら爆発しねえかな」

「何言ってるの? ……今が一番尊いのよ」


もともと、4人で公園によってアイス食って帰ろうぜ!みたいな話だったと思ったのだが、アイツら2人でブランコこぎこぎ、ずっとしゃべってやがる。アカリは何が楽しいのかニヤニヤしながらそんな2人を眺めているんだが、こっちはもう飽きたわ。


「俺、帰るぞ?」

「そうね。 ここは黙って帰る? フフフ……アリだわ」


独り言なのか、俺に向かって言っているのか分からんが、ここは放っておくべきか?


「さ、ダイキ。 帰ろ?」

「お、おう。 マジで黙って帰るのか?」

「それが正解」

「俺、コンビニ寄るけど?」

「待ってるわ」


これである。

二人っきりになるとこっちは緊張するのだ。

アカリは、幼馴染の俺が言うのもなんだがなかなかの美少女なのだ。

化粧気はあまりないが、整った顔。背は女子の中では高い方で165くらい。ちょっと長めの黒髪を頭の上でふんわりしたお団子にしているが、良く似合う。去年3人で行ったプールでは、それなりの胸部装甲を装備していたが、1年たってもう少し成長しているように思う。


そんなアカリが、近いのだ。


アカリの家と俺の家は、目と鼻の先に有る。同じ住宅地の同じ区画内に家が建っているんだから当然だ。それこそお互いに、物心つく前くらいからの付き合いだ。

最近では珍しく隣近所の仲も良好で、何家族かで親戚みたいな感じになってしまっている。同年代も結構いて、兄妹みたいな感じだ。


()()()()()


兄妹じゃないのに兄妹の距離感で近づいてくる、()


つい最近までは、なんとも思っていなかったのに。それこそ姉や妹くらいにしか。

でも、ふとした時に気づいちまった。

あれ?こいつこんなに小さかったっけ?

あれ?こいつ良い匂いしてね?

あれ?こいついつもこんなに近かったっけ?

あれ?こいつ可愛くね?


そんな女が無造作に俺の腕や背中に触ってくるのだ。

これは意識せざるをえない。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ