アスワン王国
「どじで有名な」
「バルナウ」
チタは茶化したバルナウを睨みつける。
「今一番アスワン王の覚えがめでたいとお伺いしています。」
スウの言葉にチタは
「いえ、それほどでも」
チタはスウに言われて天にも登りそうなほど幸せだった。
「腕はローヤルに負けるが」
バルナウが茶化す。
「何、ローヤルになど負けはせん」
きっとチタはローヤルを睨みつける。
「チタ。お客様に失礼だぞ」
バルナウが嗜める。
「王がお待ちです。ぜひともアスワンにお越し下さい。」
「判りました。」
迎えが来るか船をもらうまではなかなかジパングに帰れない。
3年前にキア王子と寄航した時は、ずいぶん世話にもなった。
二人は好意を受ける事にした。
アスワン王国、現、アスワン1世が、45歳の時にラスイ共和国の衛星国家、鉱山惑星から独立した事に端を発している。
アスワンは元々、ラスイ共和国の若手のエリートだった。
しかし、汚職、ぱわはらに嫌気が、して反旗を翻したのが発端だった。
以来10年間、いろいろな、場面があったが、今や惑星系10を統治するまでになっていた。
フレクスの援助を当初は受けていたが、現在は戦力は自前で持つまでに至った。
その中核部隊、黒い死神部隊は他国からは畏怖をもって知られるようになった。
戦力はやっとラスイ共和国の10分の一も無かったが、若い国家は熱気に溢れていた。
「ついに、来たか」
宮殿から宇宙を眺めながら、アスワンは一人ごちた。
バルナウのワープアウトが知らされたのだった。
自らが独立戦争に身を投じたのが45の時だった。
自らの老いを感じたことは無かったが、ローヤルとスウの若さの前には
多少の年の差を感じないわけにはいかなかった。
黒い死神の最年少のチタよりもローヤルは8歳もスウに至っては13も若かった。
「スタッドと同い年か」
「陛下どうかされましたか」
入ってきたアスタナ・バートルが聞いた。
黒い死神部隊唯一の女性だ。31歳。
「いや、なんでもない、俺も年を取ったなと思ってな」
柄にも無い事をアスワンは言った。
「まだ、まだ、お若いですよ。ラスイ共和国のボロジール議長は70だそうですから。」
笑ってアスタナは言った。
「ボロジールと比べれば誰だって若いさ。」
アスワンも笑った。
「誰と比べるとですか」
「スウとローヤルと比べるとな」
「陛下、止めてください。あの二人と比べると誰でもそう思います。
アスタナが言った。
「私もおばさんになってしまいます。」
「確かに」
アスワンは笑った。
「ま、陛下ッたら、失礼しちゃうわ」
アスタナはアスワンを叩くまねをした。
「その二人なんですが、待遇はいかがしますか。」
笑い終えた後にアスタナは言った。
「キアやボストンからは将来のジパングを背負ってたつ、人材と聞いている。
国賓待遇で遇してくれ」
「国賓待遇ですか?」
驚いてアスタナが聞き返した。
「すぐに迎えも来るのだろう?」
「はい、3日位したら、ジパングとフレクスの船が迎えに来ることになっています。」
「高々3日間だ。未来の国王と女王を迎えるのだ。最高級の待遇で迎えよう」
「了解しました。」
敬礼して、慌ててアスタナは出て行った。




