スウとローヤルの愛の逃避行
その星星の彼方、亜空間の中を青のイレブンはワープ航行していた。
ワープインしてから、1日たって、ローヤルは目覚めた。
そして、横で寝ているスウの顔を土アップで見て、驚いた。
「えっ」
その声に驚いて、スウが目覚める。
「いやあ!」
そう言ってスウの平手がローヤルの頬をひっぱたいていた。
「ごめん、ローヤル」
部屋におかゆを作って持ってきた、スウは言った。
「看病してくれたのは感謝するけれど、疲れて寝てたのを起こそうとしただけひっぱたくのはやめてくれよな」
「はーい、悪かったって言っているじゃない。お詫びに食べさせてあげる。」
そういうとおかゆをすくってローヤルの口元に持っていこうとする。
「自分で食えるよ」
スウの食器を取り上げようとする。
「病人は人の言う事を聞くものよ」
取られないように、手で覆い隠して、「はい、口をあけて」
「今回、ローヤルを助けてあげたのは私なんだから、恩人の言う事は聞きなさい。」
肩をすくめて、ローヤルは口を開けた。
その口の中におかゆをスプーンで入れながら、
「あちっ」
ローヤルが叫ぶ、慌てて、側の水を口の中に入れる。
「ごめん、大丈夫?」
「人をやけどで殺すつもりか」
むせながらローヤルが言った。
「だから俺がやるって」
「良いから、今度は覚ますから」
ふーふー言って、冷ましてからローヤルの口元に持っていく、
おそるおそるローヤルはそれに口をつける。
「どう、味は」
「何とか、まとも」
「他に言いようが無いの?
王女自らに食べさせてもらうなんて、めったに無い経験なのよ」
「熱すぎて殺されかけたけど・・・」
ボソリとローヤルは独り言を言った。
「何か言った?」
「いえいえ、何も。」
その口におかゆをスプーンで運ぶ。
「でも、本当に無事で良かった。」
しんみりとスウは言った。
「それは俺が言う言葉だぜ。あんな無茶しやがって」
「だって、だって・・ローヤルが死ぬなんて耐えられなかったの。どうしようもなかったのよ」
そう叫ぶとローヤルの胸の中にスウは飛び込んだ。
「バカばかばか」
そして、ローヤルの胸を叩いて泣き伏した。
「スウ・・・」
ローヤルは驚いた。
スウはロイヤルファミリーで
王女で、
国民的アイドルで、
そして、剣術については弟子でもあった。
今までは、単なる目をかける対象であった。
そして、お子チャまだった。
しかし、胸元で泣かれると、スウが既に子供でない事に気づいた。
ローヤルは壊れ物でも触るように、スウの肩を抱いた。
そして、徐々に強く。
「ごめん、ローヤル、今だけこうさせていて・・・」
その体をローヤルはやさしく抱きしめた。
二人にとって久々に訪れた安息の時間だった。




