トムの復讐
ボストン博士の邸宅は、ノーザンの海兵隊占拠されていた。
しかし、そこには秘密の地下室があり、そこには青い、機動歩兵が放置されていた。
しばらく使われていなかったらしく、うっすらとホコリをかぶっていた。
電源も何も入っていなかった。
しかし、その心臓部がカチリと音がした。
そして、コクピットにランプが右側からゆっくりとオンになっていった。
薄暗い独房の壁にローヤルは両腕を広げて固定されていた。
囚人服のそれは、鞭打たれた跡が、はっきりと残っていた。
首をたれてローヤルは眠っていた。
ガチャッと音がして独房が開いた。
「どうだ、ローヤル。気分は良いか?」
トムベースだった。
捕まった時以来、3日間毎日鞭打たれていた。
ローヤルは少し顔を上げてトムを見た。
「貴様の顔を見るのもこれが最後だ。明日処刑と決まった。」
楽しそうにトムが言った。
「全宇宙に向けて公開中継される。」
そして、にやっと笑った。
「目立ちたがり屋のお前としてはうれしいだろう。」
「そして、救出されて、ノーザンの名がまた、とどろくって訳だ。」
ローヤルは言い返した。
そのローヤルの顔に鞭が唸った。
二回三回と鞭が飛ぶ。
「そう言っていられるのも、今だけだ。」
トムの顔には怒りが湧いていた。
こいつのせいで今まで何度煮え湯を飲まされたことか。
昇進も無くなり、部下の多くも失っていた。
しかし、それも、もう終わりだ。
フレクスの傭兵部隊の多くを撃破して、もはや、ほとんど残っていないはずだ。
今度こそ、自分の手柄で、フレクスを撃滅出来るのだ。
将軍への道筋である。
いままで、出世街道をひた走っていた、自分の道が再び戻ってくるのだ。
もう少しで・・・・
鞭を持つトムの目が怪しく光った。