スウ姫登場
「こんな所にいたのね」
テレビを見ながらスウは言った。
スウ・アゾレス、ジパング王国の王女である。
ジパング王国は選抜王政を取っており、全国民の中から選ばれたものがロイヤルファミリーとなり、教育を受け、その中から王子や王女がオリオンシステムで選抜されていた。
現在の年齢は16歳。ジパング始まって以来の最年少13歳にて王女に選抜されていた。
現在はパルミール市長兼ジパング外交特使として活躍していた。
国民のアイドル的存在である。
キア王子暗殺事件では、ローヤルとともに解決に尽力したことで王女となった。
新貴族といわれる2世3世の王族が多い中、久々の平民出身の王族であり、そういう面からも各方面から支持を集めていた。
「王女、どうかされましたか」
開け放たれた廊下から入ってきたミリア・ハンが聞いた。
5年前からスウの秘書官であり、今も腹心を勤めていた。
「いえ、なんでもないわ」
スウは首を振った。
「そうですか、ならいいですが、シャーリー艦長からそろそろ出発の準備が出来たと連絡がありました。」
「判ったわ。すぐに行きましょう」
スウは優雅に立ち上がった。
身長は170センチまで伸びて、金髪の健康そうな身体は写真集まで売り出されるほどの人気だった。
護衛隊長のケイ・キマラの出迎えを受けて、専用巡洋艦ピンクドルフィンに向かいながら、
出来たら一度ローヤルに会ってみたいものだとスウは思った。