フレクスの秘密基地エクサス
フレクスから100光年離れた恒星レボックの小惑星帯にフレクスの秘密基地エクサスがあった。
ノーザンの攻撃を避けてきた、傭兵部隊の20隻が集まっていた。
「まさか、ノーザンが2軍を派遣してくるとはな。」
ジョーがボソッと言った。
会議室で各チームのリーダーが集まって今後のことを相談している所だった。
「何としても、排除しないとな。」
青い稲妻のバーレイ・ヘッズは言った。
「しかし、残った我々だけで出来るの?」
緑の妖精と言われたロビーナ・エールが聞いた。
3機の緑の104を率いたそれは、ノーザンにも恐れられていた。
「派遣している者も全てあわせると、100隻以上は残っている。」
「しかし、敵は巡洋艦以上が100隻よ。小型艦100隻とは訳が違うわ」
「丁度良いハンディだと思うけど」
ローヤルが捕まったので、代わりに出ているスタッドが言った。
「そんな事言っているから、ボスが捕まるんでしょ」
にべも無く、ロビーナが言った。
「何だと!」
スタッドが思わず立ち上がる。
「まあ、スタッド、抑えろ」
バーレイが抑える。
「捕まったのは事実だ。」
「あいつ、姫のことになると見境なくなるんだよ。昔から」
スタッドが言った。
「ああ、聞いたわよ、ステーションの痴話喧嘩騒ぎ。」
ロビーナが頷いた。
「公共の電波を使って、愛をささやき合ったっていうあれか」
ジョーも笑って言った。
「少し違うような」
スタッドはボソッと言ったが、皆の声にかき消される。
「1国の王女と傭兵の愛か。絵になるねえ。」
「ゴシップ誌が知ったらほっとかないだろうな。何しろスウ王女はジパングのアイドルだからな」
皆好き勝手なことを言って盛り上がった。
「しかし、他人事ではないぞ。ボストン博士は自分の後継者にその傭兵を指定したんだから」
バーレイが言う。
「本当なの」
ロビーナが聞いた。
「少しはボストン博士から聞いているだろう。自分にもしものことがあったら、ローヤルを頼むと」
バーレイが頷いていった。
「それは聞いたけど後継者にとは」
「ダイニングメッセージにそうなっていた。」
バーレイが言い切った。
「そういえば戦闘中でよく見なかったが、そんなことを言っていた様な」
ジョーも言った。
「大変です。ローヤルの公開処刑が決まりました。」
そこにオペレーターが飛び込んできた。
「何だと」
「3日後の正午に行うそうです。」
「2軍だろうが、1軍だろうが、やらすわけには行かないな。」
ジョーが言った。
「直ちに作戦会議だ。」