ノーザンの哄笑とリッキーのいら立ち
「大統領閣下、フレクスの占拠は完了です。」
ホフマン元帥が報告に来た。
「艦艇の損傷率が15%というのが少し高い気がするが、」
「やむおえません。フレクスは科学立国、多数の傭兵部隊を抱えていたにもかかわらずこの数で済んで由とすべしです。」
「ボストンの暗殺も成功、ローヤルも捕まえたとの事ではないか。」
「そのことについてですが、ジパングからはローヤルの引渡しを求めてきておりますが」
「死んでくれればうれしいとの事だったではないか。」
不審そうに大統領は聞いた。
「方針が変更したそうです。わが国の即座の撤退を求めています。」
「話しが全然違うではないか」
不機嫌そうにケアル・ナアは言った。
「なぜだ」
「何でもオリオンの怒りが怖いとか・・」
「オリオンの怒りだと、何だそれは、神話の世界でもあるまいに。」
「ローヤルの公開処刑はどうしますか」
スタンリー補佐官は聞いてきた。
「予定通り執行せよ。神話の話に付き合ってられるか。処刑が終わったら、ジパングもあきらめるだろう」
[何だこの待遇は]
リッキーは怒り心頭だった。
悪魔の双子と対戦するためにわざわざノーザンの傭兵となったのに、与えられたのは狭い部屋と、後方部隊だった。
挙句に悪魔の双子の一人ローヤルはミサイルの爆発に巻き込まれて、負傷、簡単につかまったと聞く。
「フレクスの傭兵部隊もあっさり片が付いて、明日はローヤルの処刑の見張り役だと、
このリッキー様に無様な警備員の役だとはどういうことだ。」
「だから言ったでしょ。傭兵部隊じゃノーザンに相手にされないって。」
アイスマンが言った。
「おのれ、ノーザンめ。いざとなったら、反乱を起こしてやる、覚えてやがれ」
リッキーは飲んでいたグラスを地面に叩きつけていた。