悪魔の双子
「いやー、すごかったですね。」
帰ってきたローヤルらを待っていたのはワールドワイドニュースWWNのリポーターのジミーだった。
「ローヤルさん。今回の勝因は?」
「いや、取材はレンザの広報部に聞いてください。」
ローヤルは手を振って取材をさえぎろうとした。
「ノーザンといえども宇宙一の傭兵にはかなわないってとこかな」
横からスタッドがしゃしゃり出た。
「スタッド!」
ローヤルが止めようとしたがスタッドは無視して話し出した。
「なるほど。スタッドさんとしては当然の事だと」
「ああ、例え1艦隊が来たとしてもやってやるぜ」
スタッドはきざに髪を掻き揚げた。
「この野郎、宇宙一だと」
テレビを見ていたリッキー・ハンは机を叩いてほえた。
「宇宙一はこの俺様、リッキーに決まっているだろ」
「しかし、リッキー、奴らはまた派手に決めてくれましたね。」
リッキーの補佐役のアイスマンが横から言った。
「何だと、アイスマン、俺より奴らが上だと言うのか?」
「そうは言いませんけど我々も実績を上げねばなりませんよね。」
リッキーの態度には慣れているアイスマンは動じずに応えた。
「よし、直ちに悪魔の双子に決闘を申し込め!」
「しかし、リッキー、決闘じゃ一銭の得にもなりませんぜ」
慌ててアイスマンが言った。
「金の問題じゃねえ。こうなれば地の果てまで追いかけてやる」
「あちゃー」
アイスマンは薮蛇だと頭を抱えたが、リッキーは俄然張り切りだした。
「さすが悪魔の双子、言うことが違いますね」
調子に乗ってジミーが口を滑らした。
「ちょっと待て、誰が悪魔の双子だって!」
スタッドはジミーに詰め寄った。
「いや、さすがイエローナイツと・・・」
慌ててジミーが言い直した。
「そうそう、我々はイエローナイツという正式名称があるんだよ」
「おい、スタッド行くぞ!」
「じゃあ、宇宙の皆さん、正義は不滅です」
テレビカメラに手を振るスタッドをローヤルは強引に引っ張って行った。
「宇宙の皆さん、イエローナイツでした。」