ボストン博士のパーティ
ボストン博士の住まいはフレクスの郊外の森林地帯の中にあった。駐機場には、たくさんのフライングカートが止まっていた。
「すっげーえな、今日は50機くらい止まっているぜ。」
リックが驚いて言った。いつもは5台も止まっていれば良い方の広い駐機場は今日は所狭しとフライングカートが止まっていた。
ゴードンが何とか空きを見つけて、4人乗りのフライングカートを止める。
「はっくしゅん」
車を降りたリッキーがくしゃみをした。
外に出ると、初秋でそろそろ少し肌寒かった。
「風邪ひいたなら、車で寝ていていいぜ」
スタッドが言った。
「何言ってんだよ、スタッド。せっかく女の子がいっぱい集まってるパーティに行かないわけ無いだろ」
「おいおい、女の子がいっぱいいるって誰が言ったんだ?」
ローヤルが聞いた。傭兵部隊、兵器開発責任者のボストン博士の所に女の子はそんなにいなかった。
パーティにもそんなにいるわけは無かった。
「いや、今回のは招待状に女の子がたくさんいるって書いてあったよ」
リックがむきになっていった。
「スタッドがいたずら書きしたんじゃないのか?」
「えっ、あれはスタッドが書いたの?」
「そんな面倒な事するわけ無いだろ」
言いながら4人は建物の中に入った。
昔の欧州風の建物の中は扉を開けると即座にロビーと大広間になっていた。
中テーブルには、予想に反して多くの女性がいた。
「ローヤル、やっぱり女の子がいるじゃんか」
リックの声をローヤルは聞いていなかった。
その中の2、3人に旧知の人間を見つけたのだった。
「スタッド」
先を歩いていたスタッドに女の子に囲まれたテーブルの一角から声がかかった。
「えっ、あ、コンド、久しぶりだな。いや、この前通信で会ったか」
スタッドはきょろきょろとあたりを探した。
コンドの周りには若いメンバーが固まっていた。
男と女半々くらいか、そこにはスウはいず、コンド以外は見知った人間はいなかった。
おそらく、スウのスタッフのはずだ。
「あれっ」スタッドは声を出した。
後ろにいたローヤルがいつの間にか消えていた。