フレクス着陸
フレクスの首都のそばのコレオ宇宙港はフレクス最大の宇宙港で科学国家フレクスの技術の粋を集めて作られていた。
その大きさは100平方キロもあり、駐機スポットの数は1000近くあった。銀河全体でベスト10には入った。
そこにピンクドルフィンが着陸しようとしていた。
「メインエンジン出力10%」
「誘導ビーコンに乗りました。」
「自動操縦に切り替え終了です。」
「最終着陸態勢に入ります。」
「王女、間もなく、コレオ宇宙港に到着します。」
艦橋の艦長席の後ろの特別席に座るスウに艦長のジョーが振り向いていった。
[ご苦労様]
スウはねぎらいの言葉をかける。
「滞在中の予定なんですが、乗組員の2日間の自由行動というのは本当に良いんですか?」
「ええ、かまわないわ。たまには休ませないと」
「さすが王女。」
すばやく、コンドが飛び上がった。
「コンドあなたには王女の護衛があるでしょ」
ジョーがたしなめた。
[いいのよ。今回は休ませるって約束だから。」
「しかし、王女、友邦とはいえ外地ですし」
[ここはキア王子に連れてこられた事があるし、勝手知ったところだから、タツヤ以外は全員休んでいいわよ」
「そのような。タツヤ一人にすると何するかわかりませんから私もお供します」
ミリアが言った。
[何、俺一人では信頼できないだと、」
タツヤはいきまいたが、
「それもそうだな。もう一つ頼りないし」
コンドも尻馬に乗る。
「貴様らな、ブルーナイトを何と心得る。」
「言っても、12番でしょ」
「せめてローヤル並みの力が無いと」
ミリアが言う。
「もう評点では並んでいるんだよ」
「と言っても対象が低いんじゃないの」
「ローヤルはノーザンの10倍の敵を叩いたんだから」
ローヤルの話題が出てスウは驚いた。
ミリアがローヤルの援護をするとは思ってもいなかった。
ローヤルのブルーナイトのナンバーは11番。これは平民で最高だとキアは教えてくれた。
「ま、タツヤも努力すれば追いつくわよ。そう思われますよね。王女」
「えっ」
ジョーが話しを振ったがスウは聞いていなかった。
「ほら、、王女も不安がっていらっしゃるわよ」
ミリアが言った。
[そんな事はないわ。ジパングを裏切ったローヤルよりもタツヤの方がよっぽど立派よ」
「そら見てみろ。」
喜んでタツヤは皆を見返した。
「立派とレベルは別物よ」
「ま、そんなことで言い争わないの。でも、休みなのに皆で来るの?」
「当然です。」
側近が皆でうなづいたので、スウは笑った。
ただ、心の中では少しやりにくくなったな、と一人思った。