レントの陰謀
ジパング王国の主星パルミール、その中心部にジパングの内閣府があった。
大理石を基調にした建物は重厚感にあふれていた。
その一室でレント内務大臣とゼーマン少将が密談していた。
レント内務大臣は前任者のレイアムとの繋がりは深くなかったが、父親も、官僚であり、ロイヤルファミリーの幼年時の一次選抜には残っていた。その後はロイヤルファミリーからは外れたが、新貴族の一員であることは間違いなかった。
ゼーマンにしても、似たような境遇である。スウの新貴族以外での王族赴任にはいい感情は持っていなかった。
「ということは、遂にノーザンの2軍が動き出したか。」
嬉々としてレントは確認した。
「そのようです。まだ、侵攻方向は分かりませんが」
ゼーマンは報告した。
「ノーザンからは極秘にフレクス侵攻の可能性を打診してきている。」
「最近のフレクスの傍若無人ぶりは目も当てられませんからな」
「そうだ。このあたりで、お灸をすえておいたほうが、良いだろう。」
レントはニコニコしていった。
「とすると、何もしなくて良いと。」
「いや、それはなるまい。ノーザンはハイエナだからな、何もしないとさらに何かやりかねん。」
レントは思わせぶりに言った。
「こちらも第二艦隊に出動準備をさせておきますか」
ゼーマンが確認する。
「そうだな。ボストンを排除した後に牽制させるようにしよう。」
少し考えてからレントは言った。
「スウ王女はどうします。今はフレクスにいらっしゃるようですが。」
「スウか、あわよく、死んでくれたら、万々歳なのだが。
生意気な奴がいなくなり、ノーザンには非難して、すぐにフレクスから手を引かせられる。」
「一石二鳥ですな。」
二人は笑いあった。