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異世界で主人公が地球を救うお話  作者: 中二病
零章~始まり~
5/11

5話~情報収集~

3話から5話、全部繋がってたんですが一緒にしてしまうと物凄く長くなってしまうので区切りましたw

「公明なる魔法使い様でおられましたか!私めはフェルト王国に所属する治安維持兵隊が一人、ブルート・ポトフで御座います。失礼ながら、何方の御国から...?」

おお、通じる。魔法恐るべし......

ポトフって、変な名前だな。


残忍なポトフ。


兎に角!王国があるのか......? まだ中世の時代なんだな。ここは正直に話すとしよう。


「日本なる国から来た。転移しようとしたら失敗してしまってね。フェルト王国とは、聞いたことが無いが教えてくれないか?」


「日本......? は、はい! フェルト王国はフェルト大陸で建国されてから1200年の国です!」


日本と聞いてポトフは首を傾げた。知るわけがないか。

日が暮れるし野宿は嫌だ。 近くの町を教えてもらおう。


「そうか。ここから一番近い街を教えてくれ」

「右手側に山があります。山のふもとにフォッカランという町が存在したはずです」

「了解。じゃあ俺たちはもう行くよ。元気でな」


「あ、まって! っ!」


怪我をしていた女性が声を絞り叫ぶ。お腹を抑え立ち上がれない様を見るに行動に体がついていけなかったようにみえる。

「お礼をさせてください!」


これ以上喋れなさそうな女性に変わってポトフが喋り出した。

お礼をすると言っているが貰うものはない筈...... 嫌、金か。文明がある、は通貨があることに繋がるし、国が出来ているのなら行動に税金がかかる。街に入るのに必要な税金はと言えば、交通税等だろうか?


「そうだ!生憎今は無一文でね、もし良かったら交通税だけでも貰えないだろうか?」

「了解致しました。これには3ゴルオ入っています。どうぞお受け取りください」

「ゴルオ...?」


「あぁ!ゴルオ、正確に言うとゴルラシオはこのフェルト王国の通貨で、一般市民用食品を食べるなら安い宿代と合わせて一ゴルオで一週間は暮らせます。」


「本当か!だけどそれは少し多いのでは?一ゴルオだけで十分です」

「いえ!全部お受け取りください!」

「貰えないな」


暫く睨み合いが続いた。口火を切ったのは向こうだ。


「では、貴方に依頼する。私達もフォッカランには向かうつもりだったのです。護衛としてフォッカランまで、料金は2ゴルオでどうですか?」

現在地から山までは目測でも離れているのが明らかだ。1日じゃ到底着かないだろう。となると、野宿は免れない。少し頼みすぎな気もするが一応言っておこう。


「失礼ながら、野宿用の道具がないものでね。余っているものはあるか?」

「すいません。私達の人数分までしかないです...... 貸したいのは山々ですが...」


「そうか...」


ならば寝具は仕方がない。

依頼は受けた方が良いな。お金が多く貰えるのは良い事だがタダでは貰いたくない。

不相応に金銭を貰うと後々面倒だし、その分依頼という形でお金を貰うのなら大丈夫だろう。


「依頼を受けよう」

そう言うとポトフは安堵したかの様に溜息を吐き、後ろに控えていた者達は目を輝かせた。

暫くすると、ポトフが手に持っていた皮袋から500円玉大の白銀色の通貨を取り出した。

「では1ゴルオだけお受け取りください。早速出発したい所ですが、もうすぐ日が暮れます。ここら辺を縄張りとしていた狼達は倒されたので暫くは安全な筈です。」


「じゃあここで野宿か」

「はい」

そう言うと、ポトフは宙に手を突き出し引っ張った。

気づけばポトフの手には何処からともなく現れた大きな袋が握られていた!


魔法か!?


「ポトフさんも魔法使いなのか!?」

「あ、いや。これは私の魔法ではないのです...... 私の嵌めている腕輪に魔法が籠っていて、一定の動作をすると魔法が使えるという代物です。基本的に魔道具と呼ばれていますね。 ご存知ないのですか?」


知らなかった。そう言おうとするとさっきまで黙りだった北斗がはしゃぎだした。

「本当か!?魔道具があれば魔法が使えるんだな!?」

「え、えぇ。そうですが......」

「よっしゃ! それは売っているものなのか!?」

「はい。大体この腕輪だと1デルガ、変換すると500ゴルオ分ですね。」


高ぇ。 思わず宙を見上げて「Why!? Japanese people!!」と叫ぶ所だった。

北斗なんてもうバッタリ倒れて「へへ、500週間我慢すればいいんだな。へへ......」と小言を言ってるし。口がちょっと変な動きをしてる。


まさか泡吹いてる...?


「高いですね! 苦労したでしょう」

「そうですね。血の滲む努力が必要です」

「そうか...」


「兎に角!私たちは野営の準備をしますね!」

徐ろに大きな袋の中に手を入れながらポトフは言った。

「手伝いますよ」

「助かります!」


未だ倒れている北斗を放置して俺らは野宿の支度をしたのだった。


ーーーーーーー


ーーーー



深淵を象ったような闇の中、ゆらゆらと宙に炎が揺れているのをジッと見つめながら俺は草原に腰を下ろしていた。


少し離れた場所にはポトフとその仲間が寝袋の中で静かに寝息を立てている。北斗は近くにあった木に寄り掛かりながら棒立ちで寝ていた。


角狼の心配はもうないが、寝ている間に他の動物に襲われでもしたら困る。今は俺が見張りをしているのだ。


傷んだ手を摩る。手が異常に痛むのだ。痛みは魔法を使っていく毎に強くなった。万能な魔法を使うのにはやはり代償が必要らしいと、そう思いながら空を見上げた。



ーーー今日は色々あったなぁ。



ーーー朝ぶっ倒れて、銃を持った人が部屋に押し込んできて、地球外に転移して、人の命を助けた。


この魔法の力があれば親も、助けられたのかなぁ。そんな未練がましい事を考えたって仕方がないのだが。


さて、もう自分の番は終わりか。次は確か北斗だったな。起こしに行く。

「んあ?」

「北斗、今度はお前の番だぞ。俺はもう寝る。お休み」


北斗はまだ寝ぼけていたが自然に状況を理解するだろう。俺はもう寝る事にする。

寝袋はもちろん無いし北斗みたいに木に寄りかかって寝る事など自分には不可能だ。


仕方がない、地面で寝るか。


寝やすそうな場所を見つけ足を動かしたその時、ズキッと足に痛みが響いた。

そう言えば此処に転移した時、足を撃たれていたな。直しておこう。


これ以上魔法を使うのは憚られるが、放っておくと後々不便になるだろう事は予想できた。なので手に魔力を込める。足に入った銃弾を取り除き、再生させる妄想。


「ヒール」


魔法を使った瞬間、意識が朦朧とし始めた。

あぁ、またか。


そうつぶやきながら俺は地面に倒れた。

読んでいただきありがとうございます!

少しでも読者を増やすために評価をいただければ嬉しいです!

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