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138話目 新大陸発見

 旅を始めて2か月以上が経過し、ようやく大陸全土の探索が終了した。結局この大陸ではドラゴンを見つけることはできなかったが、次の大陸はうまくやるでしょう。ZAPZAP。


 一口に「2か月」と言ったが、その間様々な事があった。初めこそ落ち込みに落ち込んでいたドラ助が一週間としない内にちやほやされることに味を占めて調子に乗り、良いご身分の生活を満喫していた。探索から戻った俺がたまたまその様子を目撃し、それに気づいたドラ助はハッと思い出したかのようにメソメソと嘘泣きをしはじめた。もちろん張り手をかましてやった。


 そのせいで俺のモチベーションがごっそりと削れ、修行と称してリーディアに探索させてみたり、楽が出来ないかと自動で探索できる魔法を作ろうとして失敗したり、面倒になって放り投げていたらシャルに叱咤されて再開したりと、それはもう色々あった。


 そんなわけで昨日は別大陸の捜索を実施し、その結果3つの大陸を発見できた。その他、大陸と言うより島と言った方が良い陸地もそこそこ発見したが、ちゃちゃっと探索を済ませたので勘定する必要もあるまい。


 そして今日、手始めに最初に発見した大陸へと飛行するが上空から見てもさっぱりわからん。森や海が目に入るばかりで、これといって特徴的な何かは見当たらない。これで高層ビルでも見つかったら面白いんだが、そうなるとドラゴンは生き残っていないだろうから何とも言えない。


 ともあれ、捜索を開始するためにも一度着地することにする。これで『音も無くしなやかに着地した』と言えれば格好いいんだろうが、普通にどさりと音を立てて着地する。いや、別に隠密しなきゃいけない訳じゃないし、出来るけど面倒だったし。


 よし、と気合を入れて走り始めようとするが木々が邪魔で走れねえ。剣技ブッパで全てを刈り取っても良いが環境破壊も甚だしいし、避けて走るには時間が掛かりすぎる。じゃあ透過魔法とかで避けずに進もうかな、と考えたがふと『地面も通り抜けてしまう自分』を想像してしまったので断念する。


 ここら辺が魔法の良いところであり悪いところで、魔法は『想像したことを何でも実現する』が、逆に言えば『想像してしまったことは実現してしまう』のである。つまり、今透過魔法を使えば地面をすり抜けてしまう。うっかり使ってしまわないように気をつけよう。


 しょうがない、と再度空を飛んで捜索を再開する。我ながら締まらないなあ。




「ん?」


 森を抜けてしばらくすると、眼下に人影が現れた。それだけならスルーするだけだが、妙なひっかかりを覚えた俺は一旦停止し、彼らをじっと見つめる。遠目からなので時間が掛かったが引っかかりの正体を発見した俺は思わず『おお』と声をあげてしまった。


「獣人かあ」


 彼らの頭頂部には動物の耳に酷似した耳がくっついていた。十人かそこらの集団だが、それなりの種類の耳が見受けられ、ピクピクと動いている様はそれが装飾品ではないとこを示している。もしかしたらそういう技術があるだけで普通の人間なのかもしれないが。


 今まで獣人を見たことがなかったので獣人は存在しないと思っていたのだが、まさか別大陸に存在していたとは。まあエルフやドワーフが居るのに獣人だけ居ないと考えるのも不自然な話かもしれない。


 思わぬ発見をしてしまったが、あくまでも今回の目的はドラゴンである。正直ドラ助の態度からして、もうドラゴンとか放っておいて獣人の観察をしたい気持ちもあるが断腸の思いで捜索に戻る事とする。


 やっぱりそれぞれの獣の力とか持ってるのかなぁ、変身出来たりするんだろうか、それとも耳がくっついてるだけなんだろうか。


 あれこれと想像を巡らせながらも、しっかりと捜索だけは進めるのであった。

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※話の大筋は変えませんが、最初から150話くらいまでの改稿予定(2019/12/7)  改稿、ってか見やすさも考慮して複数話を一つに纏める作業にした方がいい感じかな?  ただし予定は未定です。「過去編」「シャル編」「名無し編」は今は触りません。触ったら大火傷間違いなしなので。
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