表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
144/164

135話目 足掻き

 手詰まり、手詰まり感は満載だが何もしないわけにもいかない。とりあえずどこか体に異常が無いか見える範囲で検査してみる。足の指の間に小枝が刺さってた。げんなりしながらも引き抜く。もしやと思い目を検査してみるとチョコの銀紙が目に入ってた。いつのだよこれ。はよ気づけや。


 結局、予想通りだが目に見える範囲では何もわからなかった。これが元の世界での獣医とかなら何かわかったのかもしれないが、指の間に小枝が刺さって目に銀紙が入っていたことくらいしか分からず、それのせいで飛べなくなったとは到底思えない。


 時間だけはあっという間に過ぎていき、ドラ助の腹の虫が盛大に鳴り響いたことで一旦切り上げることとなった。丁度リーディアも戻ってきたことだし一先ず昼食にしよう。本来なら罰ということで飯抜きのドラ助だが、事情が事情なので普通に飯を食わせてやる。


「む? ドラ助の様子が変だが一体どうかしたのか?」


 ドラ助に元気が無い事に気づいたリーディアが昼食の最中にそう尋ねてきた。斯く斯く云々と雑に説明をし、飛べないドラゴンについての伝承が無いか聞いてみるが、やはりそういった話は聞いたことが無いとのことだ。


「役に立てずすまない。私にできるのはこの剣で敵を切り裂くことくらいで、それでドラ助が飛べなくなったことの解決には……、剣……、ドラ助……、うっ、頭が!」

「オーケー、リーディア俺が悪かった。あっちで少し休もうか」


 突発的な発作を発症したリーディアをベッドに誘導する。ちなみにリーディアは俺作成の剣を片時も手放さないようになり、横になる時も抱き枕の要領で抱え込んでいる。理由を尋ねても『よく分からないがこうしておかないと不安で仕方ない』という回答しか戻ってこなかった。どう考えてもトラウマになってます。本当にありがとうございました。


 さて、肝心のドラ助はというと、しくしくメソメソうじうじとしながらも普段の三倍くらいの量の飯を食ってた。いつものバカ(ドラ助)だ。シャルもシャルでドラ助を甘やかして求められた分だけ飯を与えている。このままだと食うだけ食って空も飛ばず、走りもしないだろうからトカゲから飛べない豚にクラスチェンジしてしまうぞ。


 違う意味での危機感を覚えたが、これだけ飯を食うのであれば体調自体は悪くないと考えられる。昼寝でもさせれば、飛べなくなってることを忘れていつもの調子に戻るに違いあるまい。まあその後思い出して、やっぱり落ち込むだろうが。


 それから数日経った。思いつく限りのことを試してみたがドラ助の症状を緩和することは出来ず、次第にやつれていくその姿は、俺にとある決断をさせた。

祭りのため、日曜は多分更新不可

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
※話の大筋は変えませんが、最初から150話くらいまでの改稿予定(2019/12/7)  改稿、ってか見やすさも考慮して複数話を一つに纏める作業にした方がいい感じかな?  ただし予定は未定です。「過去編」「シャル編」「名無し編」は今は触りません。触ったら大火傷間違いなしなので。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ