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114話目 猛烈ストンピング

ヤル気がマイナスになったせいで執筆止まってました。

 脳裏に浮かんだのは、明確な死のイメージ。目の前に居る死神が放つ殺気が子犬の鳴き声に思えるくらいの暴風みたいに強烈な殺気がすぐ隣から浴びせられる。息をすることすら恐ろしく思え、体が鉄みたいに固まって身じろぎ一つする事も出来ねえ。シャルの時には殺気に反応して体が動かねえようにするのに苦労したが、今のこれは動きたくても動けねえ。今すぐにでも逃げ出したくなっているのに、足は一歩も動かねえ。剣を向けて身を守りたくなっているのに指一本動かせねえ。


 死の間際ってやつなのか、体とは反対に頭ばかりはいやに働いて一瞬一瞬をつぶさに認識できている。


 それを真正面から受けた死神……、いや、可哀想な獲物も動きを止めた。さっきまであいつは多分自分が狩る側だと思っていたはずだ。だが、今の一瞬でその考えは粉みじんにぶっ壊されたみたいで、走るのをやめて尻尾は股の間に収められて見るからに怯えている。


――


 音も無くキラーウルフはその姿を消し去った。


「は?」


 そいつの姿を見る事しかできなかったあたしから見ても何の前触れも無く消えてしまったため、間の抜けた声があたしの口から洩れた。そしてそれから遅れてあたしは自分が息をしていることに、体の自由を取り戻していることに気付き急いで背後を振り返る。だがそこに居たのは姫さんとシャルだけで、さっきまで固まってたリョウの姿は見つからねえ。


「うおあああああああああああああああ!!」

「な、何だ?!」


 リョウはどうした、と問うよりも先に痛烈な雄たけびが何処からか聞こえてきた。その声音はリョウの物であることは分かったが、何故そんな声を上げているのかの理解が追い付かなかった。あいつは表面上は無気力で淡々と事をこなしていく人間だから、今あいつが何のためにこんな雄たけびを上げているのか想像もつかねえ。


「あいつんところに急ぐぞ!」


 今際の際の声とも思えねえが、何をしているのか分からねえ以上早く無事かどうか確認すべきだ。急に走り出したからシャルが『ライザさん! 待って!』って言ってくるが、目に見える範囲からキラーウルフが消えた以上さっさとリョウを連れて逃げるべきだ。あたしは『早くしろ! リョウを見つけてとっとと逃げるぞ!』って言って二人を急かしつつ声が聞こえた方向へと向かう。


 次第にドスン、ドスンと地響きが聞こえ始めて地面が少しだけだが揺れ始める。今までに体験したことがねえ事が続いて心臓が破裂するくらいに早鐘を打っているが、それもリョウの後姿を見つけたことでほんの少しだけ落ち着きを取り戻そうとしていた。


 何で固まってたヤツが少し目を離した隙にこんな場所にいるのか? 何でキラーウルフが消えたのか? この地面の揺れは何なのか? 分からねえ事だらけだけど考えるのは無事に逃げてからで十分だ。あたしはリョウに声を掛けようとしたが、ヤツに近づき、何をしているのかがハッキリと見えて今度はあたしの方が固まる事になった。


「あちゃー」

「リョウ殿……」


 二人が少し遅れて到着し、あたしの後ろで立ち止まるとそんな事を言った。その間も地響きと揺れは止まらない。


「ふん! ふん! ふん! ふん!」


 そしてリョウはあたしらに気付くことなく、一心不乱に何かを踏みつけている。元は白かったはずが土に塗れ、血に染まってすっかり薄汚れた色になり、これ以上踏み続けられたら原型すら分からなくなるだろうそれは、辛うじてキラーウルフだったものだって分かった。


 首がへし折れ、腹から内臓が飛び出て、返り血を浴びても尚踏む事を止めない異様さ、リョウが踏みつける度に地響きが起こっているっていう馬鹿げた光景。頭が考えるのを止めそうになったが、いっそ止めてくれた方がよかったかもしれない。


 えーっと? リョウが踏む度に地面が揺れるっつーことは、その、何だ? この揺れはリョウが原因ってことか? んな馬鹿な。

リョウ、発狂。

ちなみに、22から友達と旅行に行くのでしばらく更新が止まると思います。

3日か4日くらいかけないから……、ってあれ? それっていつも通りの速度じゃね?


追記:とりあえず更新しなきゃと思って更新したけどすごい切りが悪い。明日ぐらいにでもこの話に追加するか、次の話という形でさっさと続き書きます。

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※話の大筋は変えませんが、最初から150話くらいまでの改稿予定(2019/12/7)  改稿、ってか見やすさも考慮して複数話を一つに纏める作業にした方がいい感じかな?  ただし予定は未定です。「過去編」「シャル編」「名無し編」は今は触りません。触ったら大火傷間違いなしなので。
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